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・144回芥川賞が発表され、朝吹真理子さん(26)の『きことわ』と西村賢太さん(43)の
『苦役列車』が受賞した。
慶應大学大学院在学中で、父も文学者だったという「サラブレッド」の朝吹さんに対して、
西村さんの経歴はかなり異色だ。
東京都江戸川区生まれ、中学卒業後は日雇い労働をしながら生活していた。20代のころ、
大正時代の作家・藤澤清造などの私小説に夢中となり03年からは同人誌で自身の作品を発表。
しかし「作家になるつもりはまったくなかった」と過去のインタビューでは語っている。
芥川賞は3度目のノミネートで受賞となった。会見冒頭で受賞を知った瞬間について聞かれ、
「自宅で、そろそろ風俗いこうかなと。行かなくてよかった」と答え、笑いを誘った。
受賞作は中学卒業後に家を出て日雇いで生計を立てる19歳が主人公。自身をモデルにした
私小説だ。大きな影響を受けた藤澤清造には「自分よりダメなやつが、まだいるんだなと。
そこで救われた」。自分の作品についても「読んだ人が自分よりもダメな奴がいるんだと
思ってくれたら本当に嬉しいです」としている。
小学5年生のころ、運送業者を営んでいた実父が事件を起こして逮捕され、母親と姉の3人で
夜逃げした。「そういうことがあると、まともには育たないですよ。それが克服できずに負けたから
今の僕がある」と過去に話している。
また、西村さん自身も暴行で逮捕され、留置場に入ったことがあるという。
会見の様子はニコニコ動画でも生中継された。西村さんが画面に現れた直後から「経歴の
すごい人きたーーー」「おれたちの西村さん」といったコメントが殺到。また、友達が一人もおらず、
普段誰とも話さないと語ったときにも「俺もなんか書くか」「俺が受賞したみたいだ」などの書き込みが
多数寄せられていた。
2ちゃんねるにも「ダメさ加減に親近感が湧く」「純粋に憧れるわ。自分もニートなりに頑張る」と
いった書き込みがあり、西村さんに元気をもらった人が多くいたようだ。(抜粋)
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