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もしあなたの妻が、わが子を「気持ち悪い」と言ったら、どうしますか?
実は、はたから見れば幸せそうに見えても、おなかの子に嫌悪感を抱く妊婦がいるのです。
彼女たちは、夫にも打ち明けられず、罪悪感を背負い、一人で苦しんでいる。
なかには出産後に深刻化するケースも。そんな妊婦たちの“ホンネ”を聞いた。
妊娠した友人のA子(27)が、ある日突然、私にこう打ち明けた。
「おなかにいる赤ちゃんを『キモい』と思ってしまうねん……」意外だった。
20年前から彼女を知っているが、私の女友達の中でも子どもを愛してやまないのがA子だったからだ。
昔から再三、「20代のうちに子どもを産む」と宣言していたのもA子だ。
そのA子が涙をためながら吐き出した告白は、彼女によほどの異変があったことを感じさせた。
「看護学校で勉強したから一通りの知識はあるつもりやったけど、どの本にも『妊娠中の母親は幸福感に満たされる』
って書いてある。なあ、うちおかしいかなあ? こんなお母さんって酷い?」
高校卒業後、歯科助手として一時働いた後、A子は、かねて夢だった助産師になるため、
地元の看護学校に通っていた。妊娠が発覚したのは、卒業まで残り半年ほどという09年秋。
ともに同じ学校で学び、看護師を目指していた彼氏(27)は、妊娠の知らせに涙を流して喜んだという。
結婚を即決した彼氏の気持ちは単純に嬉しかった。助産師への道を少し遠回りし、
子どもを産むため休学することを決めた。学生結婚ということで式は挙げなかったが、
A子の実家で始まった新婚生活は、幸せへの階段を順調に上っているかのように見えた。
ところが、徐々におなかが膨れ始めると、彼女の中で“違和感”も少しずつ膨らんでいく─。
「安定期に入って、どんどんおなかが大きくなっていくうちに、赤ちゃんが気持ち悪くて、怖くて、しょうがなくなった」
一方で夫は、学校から帰ると真っ先におなかに向かって話しかけた。
まだ見ぬわが子に鼻の下を伸ばす姿を見ていると、とうてい“ホンネ”は言えなかった。
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