10/12/30 13:35:12 0
(>>2の続き)
実際、東京都の場合2か月の入所期間中に仕事を見つけないと「意欲がない」とみなされ追い出される。
仕事が見つかった人も、短期雇用ですぐクビになったり、コミュニケーションの困難でトラブルを起こしたりで、
結局8割以上が路上に逆戻りしているという。
「何とか貧困から抜け出したい」。その熱意もあって、五味川さんは知り合いから飲食店の職を紹介される。
ホールスタッフとして毎日マジメに働き、順調に生活を立て直し始めたように見えた。
そう思っていた矢先、その飲食店が風適法違反の疑いで警視庁に摘発されてしまう。
研修期間中だった五味川さんはほとんど給料も貰うことなく、再び路上へ戻ることを余儀なくされた。
「このときばかりはもう、自分の人生に呆れました」(五味川さん)
しかしそれでも諦めずに、今度は牛乳の営業の仕事に就くなど、できる限りの努力をしたが、
路上からはなかなか抜け出せなかった。
そんなある日、五味川さんの勤勉さを知る知人が古紙回収の仕事を紹介、正社員として雇われることに。
同時に、民間の支援団体に保証人になってもらい、アパートを借りることもできた。
わずかな給料でやりくりしているため、現在はアパートのガスも電気も止められてしまった。
なかなか生活は落ち着かないが、何とか貧困のスパイラルから抜けようと五味川さんはもがいている。
行政がホームレス対策としてつくった「自立支援センター」に入るという道もあったが、
「多くの人が再び路上に戻ってくる」と聞いていたため入所しなかった。
(終わり)