10/12/30 13:34:58 0
(>>1の続き)
その後、新聞販売所での住み込みの仕事を見つけた。しかし営業中に、髪形を褒めたつもりの一言が客を怒らせてしまう。
それが原因であっさりクビになった。またも路上に逆戻り。さらに、公園で昼寝をしている隙に全財産の入ったバッグを盗まれてしまう。
「目の前が真っ暗になりました。不安や恐怖を感じる余裕すらなくしました。その後は路上でただただ孤独に暮らしていました」
五味川さんは、なんとか路上生活から脱出しようと行動を起こす。「まず仕事を見つけなければ」と、
気合を入れてハローワークに向かった。しかしその窓口で、「役所で生活保護を受け、
住む場所を手に入れてもらわないと仕事は紹介できない」と追い返されてしまう。
そこで生活保護の申請に役所の福祉課へ行くと、「まずはハローワークで仕事を見つけてきて」と、
たらいまわしに。再びハローワークに戻り「役所でこう言われた」と伝えたが、
「連絡先のない人に仕事は与えられない」の一点張り。
そこで、再度福祉課に行くと「仕事がないのならそこらへんの求人誌で探しなさい」と言われてしまう。
五味川さんは生活保護を受けるのを断念し、その後も路上生活を続けた。
ところが後日、彼のことを知った支援団体が福祉課に同行すると、あっさりと生活保護を受けることができたのだ。
生活保護を受けられるようになったものの、役所の窓口で勧められた施設に入ると、
今度は「貧困ビジネス」が待ち受けていた。
そこでは施設側に生活保護費の管理も委託することになっていた。
しかしそのほとんどは寮費や食費、管理費として搾り取られ、手元にはわずかなカネしか残らない。
住宅の家賃は、ベニヤ板で仕切られた2畳ほどの個室で5万3700円。そのほか食費や光熱費などで
5万円以上が引かれるのだ。手元に残るのはわずか7000円ほど。
行政は「家賃は法律で定める上限を超えていないため違法ではない」と説明している。
「このままじゃ施設から一生出られない」。五味川さんは辛抱できずに再び路上へ飛び出した。
(>>3に続く)