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★【from Editor】民主政権に先見の明はあるか
江戸時代前期、岡山藩に庶民の教育に尽力した人物がいた。岡山藩主の池田光政であ
る。その舞台となったのは、光政が1670(寛文10)年に創建した旧閑谷(しずた
に)学校(岡山県備前市)だ。
現存する庶民のための学校施設としては日本最古といわれ、国宝の講堂など3世紀以
上に及ぶ建築物には目を見張るものがある。だが、それ以上に心ひかれたのは光政の庶
民教育への情熱だ。光政が何より心を砕いたのは、閑谷学校を後世まで存続させること
だった。周辺の田や林を学校の所有とし、そこから得た収入で学校を運営する「自立経
営」の仕組みを作り、藩主が代わっても存続できる環境を整えたとされる。そこには、
庶民の教育水準の向上こそが庶民の暮らしをよくする礎となる、という強い信念を感じる。
光政には先見の明があったのだろう。資源の乏しい日本が経済発展をとげた理由のひ
とつは国民の教育水準の高さだ。技術革新を生み出す原動力となり、日本を世界2位の
経済大国に押し上げた。
しかし、その日本の強みももはや風前の灯火(ともしび)かもしれない。経済協力開
発機構(OECD)が2009年に65カ国・地域の15歳を対象に実施した「生徒の
国際学習到達度調査」(PISA)の結果を見ての感想だ。
日本は読解力、数学的応用力、科学的応用力のすべての分野で前回(06年)より順
位をあげたが、トップクラスは日本以外のアジア勢が目立った。数学的応用力では9位
と初参加の中国・上海、韓国、台湾の後塵(こうじん)を拝し、5位だった科学的応用
力でも6位の韓国との点差はわずか1点。このままでは「技術立国日本」の地位を中国
や韓国、台湾などのアジア勢に明け渡してしまうのではないか。
(続く)
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