10/12/20 15:06:36 0
(>>1の続き)
◆豪に誘致論も浮上
こうした米国の底意を看破し、同盟国の専門家間でも米軍誘致が活発化している。
中国を脅威と見なしている証左でもある。
例えば、豪紙論説委員で米国のシンクタンク、ウッドロー・ウィルソン国際学術セン
ターの客員研究員シェリダン氏は8月の紙面で、中国をにらんだ大規模な米軍基地が東
南アジアと接する豪北部ダーウィンに建設されることが“必然的”とさえ予見している。
その理由として「アジア諸国は米軍のプレゼンスを望むが、それを公に支持する指導
者はほとんどいない。中国からにらまれることと国内の反米感情を助長する、そのどち
らも恐れているからだ」と指摘。その上でこう分析する。
「豪戦略にとり、安全保障と通商の双方で米国をアジアに全面的に関与させることが
不可欠だ。米国はアジアで日本・韓国・タイ・フィリピン、それに豪州と安全保障条約
を締結している。ベトナムとも強力な戦略関係を発展させ、インドネシアやマレーシア
との関係も強化する。すべて東・東南アジアにおける中国に向けたヘッジ政策であり、
米国のプレゼンスを全面的に刷新せんとするオバマ政権の決意表明でもある」
さらにシェリダン氏は、6月にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議=シャン
グリラ対話=におけるゲーツ国防長官の発言に注目した。
「米国のコミットメントと抑止力の強さは(東・東南アジア)域内に相当規模の米軍
プレゼンスを維持することで明らかになる。米国のこの域内における防衛態勢は、今以
上に地理的に分散され、より弾力的で政治的に持続可能な形に移行しつつある。グアム
への戦力増強はその一環だ」
こうした諸点から導き出したシェリダン氏の結論は大胆で衝撃的だ。すなわち「東南
アジアとその周辺で、米国のプレゼンスが地理的に分散され、より弾力的に運用でき、
政治的に持続可能な場所こそダーウィンである」。そして「(ダーウィンに)相当規模
の米海空軍と海兵隊を駐留させ、一定の装備・資材を事前集積しておくことは米国の対
中戦略に大きな意味を持つ」と断じる。これは暗に、「沖縄は政治的に持続不可能な場
所」と言っているに等しい。
(続く)