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「バントは日本人の“免罪符”だ」(ヒルマン)
日本で最も成功したアメリカ人監督と言えるヒルマンも、似たようなフラストレーションを体験した。コリンズとは異なり、
選手たちにキャンプの練習量を1日3時間に制限する等、アメリカ式練習法を採り入れることに成功したが、結果はおもわしくなかった。
来日直前『武士道』や『ドカベン』を読み、日本人の気質を積極的に学ぼうとしていたという「私のやり方が受け入れられていないのは明らかだった。
だから選手やコーチたちに意見を聞いてみた。すると開口一番、『キャンプ中、もっと長く練習させてほしい。半日の練習では物足りない』ときた。
実際、金子誠が私のところに来て、こう言った。『あなたのやり方では闘争心が湧いてきません』とね。だから私は信念を曲げて、
夕方5時まで練習させた。彼らは特に守備練習をやりたがったよ」
日本人はバント練習も要求したという。バントはいかにも日本的な作戦で、大量得点を狙う攻撃的なヒルマン方式とは正反対だ。
大半のアメリカ人監督と同様、ヒルマンもバントはアウトカウントの無駄遣いだと考えた。「バントは日本人の“免罪符”だ。
大量得点のチャンスをむざむざ見過ごし、失敗を回避するための弁解でしかない。
選手たちはある種の安心感を得られる。『よし、危険を冒すより、堅実に1点取っておこうぜ』とね」
『得点予想研究』によれば「バントはきわめて効率が悪い」。
ヒルマンはアメリカ野球学会(SABR)のウェブサイト〈Baseball Prospectus〉による『得点予想研究』を引用した。
それによると、バントはきわめて効率が悪い。
ノーアウト・ランナー一塁の場合、得点する確率は0.891。ワンアウト・ランナー二塁(先頭打者がシングルヒットを放ち、
犠牲バントで進塁するケースが多い)の場合、得点確率は0.682に落ちる。
つまりノーアウト・ランナー一塁で犠牲バントをした場合の数値のほうがずっと悪いのだ。
しかしヒルマンはまた我慢した。 >>2へ続く
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