10/12/18 06:26:31 t2ffYnyK0
(>>381の続き)
戦後の焼け野原から漫画文化は開花しましたが、現在の漫画文化は決して衰退していません
表現は洗練されかつ多様なものが受け入れられるようになっています。
産業としての規模の成長は止まっていますが、際限のない市場規模拡大が文化としての漫画発展の必要条件ではありません
繊細で穏やかな表現で伝えたいものがある作者が、奇抜な作品より印象が薄くなりがちで売れにくい事もあります
輸出も増える中でグローバルな商業主義の暴走によって、日本の諸外国に比べて淡く細やかな表現が潰される事を防ぐ効果もあるでしょう
コミックの性描写への規制志向こそ強いですが、欧米ではグロテスクで刺激の強い表現が日本よりずっと強く好まれる傾向があります
例えば「なるたる」のように過激で荒々しい表現ももちろん漫画の魅力ですが、
「ぴっぴら帳」のようにささやかな表現がちりばめられた漫画も日本にしかないものです
後者の魅力は、まだ諸外国ではあまり気づかれていないようですし、
前者も深刻な必然性があってあのような表現をしているからこそ面白い作品になっています
杓子定規でない法の運用は暗黙の知恵ですし、速やかで柔軟な対応の源泉です
条文だけを絶対視することは、戦前の例からアメリカの数ある異常な判決まで、非生産的です
もちろん事後法の無効など、法治主義の原則は厳しく守られなければなりません
むしろその点では明治24年の大津事件判決より中国人船長を釈放した現在の方が後退しているとさえ言えます