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・俳優の水嶋ヒロさんの処女小説『KAGEROU』が発売された。中身は当初の触れ込みとは大違いで、
オヤジギャグ満載のドタバタコメディ。
大体のあらすじはこうだ。会社をリストラされ、借金取りにも追われるヤスオが、41歳の誕生日を
前に飛び降り自殺をしようとするが、その寸前に黒服の男に引き留められる。男は、臓器移植の
仲介をする団体の人間で、自殺志願者のヤスオに、数千万円で臓器提供の契約を持ちかける―。
帯には「哀切かつ峻烈な『命』の物語」と書かれていることもあり、一見シリアスな内容に思えるが、
全体の雰囲気は明るい。文章は軽い感じの会話が多く、自殺を思いとどまった直後からヤスオが
「イギリスならジンだな。イギリスジン、なっちゃって」といったダジャレを連発。本来なら感動的なはずの
シーンにもこうしたオヤジギャグが多数挟まれており、笑い所の分からないコメディといった感じもする。
また、物語後半で心臓病を患ったアカネという20歳の「美少女」が唐突に登場。2人の関係を育むような
エピソードは殆どないにも関わらず、2回目に会ったときには瀕死のヤスオを膝枕で介抱。
冴えない中年男性という設定なのに何故か若い女性に優しくされるのだ。
この『KAGEROU』を発売日に書評家の大森望さんが『WEB本の雑誌』でレビューしている。
普通の小説ではありえない設定が続出するが「脱力系ドタバタコメディ」で「コミカルなタッチなので
それほど気にならない」とし、「主人公の愛すべきダメっぷりと文章の素人っぽさが相俟って、
それなりに好感のもてる小説に仕上がっている」。
アマゾンには早くもレビューが殺到。「嫉妬したくなる気持ちも分かりますが、いい作品ですよ」と
いった好意的なものもあるが、「とても『数年間該当なしだった大賞を得た大作』とは思えない」と
厳しいものが多い。15日18時現在5点満点中平均2点となっている。(抜粋)
URLリンク(www.j-cast.com)
・ポプラ社は16日、25万部増刷することを決めた。15日に43万部で発売されており、
発売2日目に発行部数が68万部に達した。(一部略)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)