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東大阪市の縄手中学校で先日、ある舞台劇が演じられた。出演者は2年生の110人全員。国際理解学習の一環で、
大阪に住むアジア出身の人々を訪ね、その体験と感想を劇にして表現した。
「アジア探検隊IN大阪」と称し、生徒たちはグループに分かれて街に出た。当初は教室から外に出られるからうれしいというくらいの気持ちだった。
それが、コリアンタウンのおばさんや朝鮮学校の生徒たち、内戦を逃れて日本にたどりついたアフガニスタン人らに会い、
自分たちとは違った環境で生きてきた人たちの存在を知る。悲惨な境遇に同情し、また、たくましい生き様に感動しながら。
劇の最後、生徒たちはそれぞれの思いを語った。「自分の足元から朝鮮・韓国との付き合い方を考えていきたい」「偏見とはさよならしよう」
「ものが余っているのに、少しでも手放すのが怖いという今の生き方を考え直したい」。
チマ・チョゴリ姿での朝鮮舞踊や、太鼓やかねの演奏も交えたにぎやかな舞台は、保護者や周辺校の教師らの大きな拍手を浴びた。
生徒たちの活動は舞台劇にとどまらず、途上国への支援にも発展する。キリスト教会でアフリカの難民支援のためのバザーを手伝い、
書き損じはがきを集めた。教会から届いた礼状には「みなさんが集めたお金で、ナイジェリアの赤ちゃんのために、
粉ミルクとおむつを買いました」とあった。生徒たちは「私たちのささやかな取り組みが難民の赤ちゃんの命とつながったことに感動した」と言う。
縄手中の活動は、ほんの身近なところからでも、一歩踏み出せば、広い世界につながっていけることを示している。
小さな行動の一つ一つが、国籍を超えて人のきずなを広げていく。(大阪社会部)
毎日新聞 2010年12月7日 東京朝刊
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