10/12/25 01:41:31.76 BzHnjpPT0
瑠璃は五匹いる猫のうち、一番小さいものを手に取って、
「猫はやはり黒猫に限るわ。
これは……これはね、母さんにもらったものなの」
ふにゃりと表情を崩す。
「思い入れがあるモノなのか?」
「昔々……わたしがとても辛くて寂しい思いをしていたときに、
このマトリョーシカが元気づけてくれたの。幼心とは単純なものね。
入れ子を取り出して並べるだけで、寂しさを紛らわせることができるのだから」
辛くて寂しい思い出なんて、わざわざ思い出したくもねえし、話したくもねえだろう。
俺はマトリョーシカの話題から離れるために、今この家にいない人物について尋ねることにした。
「そういや瑠璃のお母さんは、どんな仕事をしている人なんだ?」
「駅の近くで飲食店を経営しているわ」
「へぇー、すごいじゃん」
「自営業と言えば聞こえはいいけれど、維持するのが精一杯の、本当に小さなお店よ。
人手が足りないときは、わたしもホール仕事を手伝わされているの」
「もしかしてアルバイトって、そのことを言ってたのか?」
こくん、と頷く瑠璃。
なるほどな、親の店の手伝いをしてたなら納得だよ。
前々から不思議に思ってたんだ。
労働基準法に抵触せずに、中学生の頃の瑠璃にも出来たアルバイトっていったい何なんだろう、ってさ。
寝る
桐乃……ペロ…………ペ………zzz