10/12/24 00:58:42.60 GQjBgs+10
俺はインターホンから顔を離し、改めて平屋―瑠璃の家―を眺めた。
壁の漆喰はところどころ剥がれ、屋根瓦は褪せて砂色になっていて、
素人目にも、かなり古い建物であることが分かる。
キコキコという甲高い音が聞こえて、視線を下ろすと、瑠璃が小さな鉄門の閂を外しているところだった。
「さ、入って頂戴」
「あ、ああ……でも、その前にひとつ聞いていいか?」
俺は瑠璃が着ている、白のラインが入った臙脂色の服を見つめて、
「なんでジャージ?」
しかもしれ、市販の奴じゃなくて中学校の指定ジャージだよな。
瑠璃はむっと頬を膨らませ、
「こ、これは部屋着よ。
機能性に富み着用者の運動を妨げない、最高の衣類だと思わない?」
まあ、確かにその通りだけどよ……。
「あっ、それ」
俺は瑠璃の胸元で笑う黒猫のワッペンを指さし、
「瑠璃が自分で着けたのか?」
「よく気づいたわね。でも、勘違いしないで頂戴。
これは決して繊維の解れを隠すためのものではなくて、
わたしが闇の眷属であることを証明するのと同時に顕界への影響を抑えるための封印具だから」
ああそう。