09/07/12 17:15:11 f5NHf4aR0
「石川二代目から遺言を賜っています。ご安心ください。石川亡き後○○さんのことは私、角山が全力でバックアップします。」
そう角山がオーナーに話しかけても、オーナーは石川をずっと無言のまま凝視していた。
そして、オーナーは石川に擦り寄り手を軽く握る。すると、石川は力強くオーナーの手を握り返した。
驚いたオーナーは石川の目を見る。石川もオーナーを見つめていた。
「○○よ。すまん。俺はもう何もしてやれんようになってしまった・・・・(泣)・・・・」
石川はそうオーナーに語りかけている・・・・オーナーにはそう見えたのだ。
角山がオーナーにまた静かに語りかける。
「○○さん。石川二代目、いや親方様は昨年の貴殿の30年ぶりの訪問を本当に喜んでおられました。
30年前、貴殿が横須賀の港湾現場で必死に働いていた頃、わが横須賀一家は総勢50人足らずの小さな組織でした。
今は全国各地に拠点があり、組員数は2,000へと巨大化しました。でも、親方様は昔の一家のほうが良かった、懐かしいと口癖のように
おっしゃっておられた。貴殿が横須賀におられた、あの頃のアットホームな一家。親方様の若き青春時代の良き思い出だったのです。」
(つづく)