09/03/20 03:07:43 /owchoGPO
>>280
弁護士は登記に関しては素人です。従って登記業務への参入は無理ですよ。
参入するとしたら司法書士を法律事務所の職員として雇います。
これはかなり前から行われていることですよ。ところで例えば会社法です。
弁護士も司法書士も会社法は資格試験の段階で勉強するのですが、
出題傾向や問題の切り口が両者は全然違います。一例をあげますと、
取締役の第三者に対する損害賠償責任を定めた会社法429条という有名な条文があります。
司法試験ではこの条文の法的性質を深く議論します。つまり『性質は法定責任説→従って民法709条
の損害賠償責任とは別物→なので両者は訴訟物が異なる→併合請求。』といった議論ですね。
他方、司法書士試験ではこのような論点についてはあっさりです。判例実務は法定責任説。なら
それでいいでしょう、と。そのかわり社債発行の手続きは？新設分割の手続は？
こういった手続きについての条文をかなり細かく勉強し、それが商業登記にどう結びつくか？
をもうウンザリするほど覚えなくてはいけません。このように会社法一つとっても
勉強する内容はまったく違います。従って実務も全然性質が違ってくるのです。
大多数の弁護士が登記をはじめとした手続について素人なのはこういった理由からです。
逆にある未知の論点があるとします。まったく新しい問題ですね。これをいかに論理的に筋道だてて
相手を説得するか？自分なりに考えていかに妥当な結論を導くか。この場面では弁護士の出番です。
司法試験では受験生に未知の問題に対応できるだけの素質があるか否かを厳しく審査します。