08/05/03 03:41:58 3ilNHlW20
あの頃僕は高校生だった。
親友だったM君に「お前、もし好きになった女が韓国人やったらどうする?」と訊かれた。
僕は若者らしい潔癖さで「好きになったのであれば、そんなことは気にしない」と答えた。
M君だって多分そうだろう、と思いながら。
ところがM君は言った。
「俺は嫌やなあ。考えてみろや、本人は良くても家族がついてくるんやぞ」
そう言われて僕は、好きになった彼女の背後にチョゴリを着た大勢の人間が座っているところを想像してしまい、
途端にこわばってしまった。
そして、M君の発言を否定できない自分が情けなくなった。
こういう理屈は、僕らが無意識に低く見ている外国に対していまだに頻繁に適用されている。
タイでもフィリピンでもそうだ。
「そんな国の女と結婚すると、本人は良くても、その後ろに100人の家族がついて来て、
彼らを養ってやらなければならないんだぞ」等々。
しかし、この僕のケースでは、それは韓国・朝鮮人に対する軽蔑でも敵意でもなかった。
それは純粋な恐怖感だった。
こういう恐怖感に煽られた差別意識は当時家族の中で親から子供へと確実に伝授されていた。