07/10/03 21:12:24 NT0O8kdOO
こんばんは。以前私はサラ金を始めとした高利貸金業者からの借金がある方は、
早めに債務整理をするべきだといった趣旨の書き込みを本店かセリアスレに致しました。
先日、ある姫様から質問がありましたのでこちらにも転載することとします(本人は承諾済)。
ちなみに借金の債務整理には裁判所の手続き不要の任意整理、裁判所での手続きとなる個人再生、
自己破産といった幾つかの方法がありますが、今回記すのは自己破産です。
前回私がレスしたのは任意整理。ですから両者は同じ借金整理の手法とはいえ全く別物です。
さて、自己破産は免責決定という裁判所の許可があれば借金がチャラになるという魔法のような制度で、
昨今は年間20万件もの自己破産が生じておりまして大多数は企業ではなく個人です。
実はこの自己破産、山のような借金が帳消しになるのですから債務者には実に有難い制度なのはその通りです。
が、反面、実は大きな落し穴があります。私が前回敢えて自己破産について説明をしなかったのには理由があるのです。
確かに、借金まみれの債務者が裁判所に破産申立てをし、裁判所から破産決定・同時廃止手続きが下され、
その後免責になれば借金は消えるのです。そして、実務では殆んどのケースでこの免責が出ます。
従いまして、多くの自己破産者がそうですが、遊興や贅沢目的で借金を重ねた挙げ句の果てに破産するといったことも可能なのです。
勿論、道徳倫理面から許しがたい!との意見は当然あろうかと思います。ただ問題は一度自己破産すると、
一定期間はこの破産制度を再度利用することが出来なくなります。破産法という法律は数年前大改正されましたが、
改正前はこの期間は10年でした。改正法もこの点は変わっていないと思います。
問題は、遊興や贅沢癖が見に染み付いてしまった人が自己破産した後に堅実な生活が出来るのか?
そして、自己破産者の多くが安定したある程度の収入が見込まれる仕事に就いていない方々ですが、
自己破産後にこうした職業に就職することなど可能でしょうか?
今や企業で働く人間の3割強ものが不安定な派遣労働者なのです。正社員は狭き門です。(つづく)