08/01/17 23:26:36 v0dC5VzAO
>>597
こんばんは。そうですね、民事上は20年占有を継続すれば、
この人は時効の援用をして(民法145条)土地(の一部)の所有権を時効取得出来ます。
(民法162条1項)。但し普通は土地所有者なり管理者が他人の不法占有に気が付きますからね。
占有者に対して所有権による土地明渡し請求をするでしょう。
民事訴訟を提起して請求すれば、時効が中断し20年の期間計算が振り出しに戻ります(民法147条1号)。
ちなみに、今回この占有者は不動産侵奪罪で逮捕されましたが、
これは刑法235条の2に規定されている犯罪です。235条は
窃盗罪でして、いわば窃盗罪の兄弟といえます。窃盗罪は
被害者が占有している他人の物を、被害者の意思に反して犯人が自己に占有移転することを言う。
要するに犯人の積極的な行為が必要なのですね。これは不動産侵奪罪も同じです。
本件のように他人の土地上に店舗を建てるなんていうのが典型ですが、
例えば隣の家の土地を少し取り込んで自分の土地を広くしてやろうと企んで
隣地との境界線を不明にした人間がいたとします。さて、
この人間に不動産侵奪罪は成立するでしょうか?答えは成立しません。
理由は不明にしただけでは上記の「積極的な行為」とはいまだ評価出来ないからです。
結局、窃盗罪と兄弟ですから、窃盗罪と同じくらいの悪質さ、積極的な行為が必要というわけなのです。