09/09/27 23:02:33 jB+QqKHX0
「おはようございます…」
眠い目を擦りながら、リビングに入るとそこには父と母がいた。妹の姿はなかった
部活にでも行っているのだろうか
「おはよう。みなせちゃん、朝ごはんできてるわよ」
「今日はお寝坊さんだね」
父が新聞から笑顔を覗かせる
「はは…すみません」
時計を見ると既に10時を回っていた
わたしは冷蔵庫から牛乳を取り出すと、グラスに注ぎ自分の席についた
牛乳で乾いた喉を潤す
「あなた、今は春休みなんだからそれくらいいいじゃないですか。はい、どうぞ」
目の前にポテトサラダの入った小皿が置かれた
「ありがとうございます」
「そういえば、みなせちゃんも4月から高校生ね」
「はい」
「それでね…よかったらお弁当を作ってあげようと思うんだけどどうかしら?
ほら、中学校は給食だったし滅多にお弁当作る機会もなかったでしょう。
お父さんの分も毎日作っているし、折角だからみなせちゃんの分もどうかと思ったのだけど」
よからぬ提案だった。母にとっては娘にお弁当を作る行為は幸せなのだろう
でも、私にとっては手作り弁当など苦痛以外の何物でもなかった
「あの…お弁当はいいです」
「えっ…ど、どうして?」