08/09/21 16:50:11 lyhR0dZi0
離れて暮らしていた修一の父親の葬儀の場。
その中に懐かしい女性の姿があった。
久美子―。
幼少時代、仲田家で姉と弟のように育った7つ年上の女性。
高校を卒業した久美子は何も言わずに仲田家を去ったのだった。
修一を残して。
その久美子が大学を卒業して教師になるのだと。
そして修一に、家を出て自らが赴任する弓ヶ浦に来ないかと誘う。
「どうして俺だけを誘うんだ?」
「あなたが大切だから……昔、私を助けてくれたもの」
修一は答える。無機質に。
「……いいよ」
月日は過ぎ、弓ヶ浦に来て2年目の春。
久美子は修一の担任となる。
久美子に勧められ久美子が顧問を努める美術部にも所属していた修一。
必然的に久美子と共有する時間が増える。
しかしそれは同時に、かつての「姉と弟」という関係から「教師と生徒」という関係へと明確な線が引かれるということでもあった………。
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