淫妖蟲・淫妖蟲蝕 出産8順目at HGAME2
淫妖蟲・淫妖蟲蝕 出産8順目 - 暇つぶし2ch5:名無しさん@ピンキー
08/04/30 03:20:27 fAw2Nw/90
保守代わりに。
チラ裏ですまぬ。

 その人物の登場で部屋に緊張が走る。今まで武を嬲り弄んで嘲笑していた男たちは静々と
部屋の周りに引き下がる。
 現れた人物は女であった。それも武やこの部屋に囚われている少女ではない、大人の女性で
ある。凛とした顔立ちと研ぎ澄まされたようなボディはお世辞抜きで十分に美人の部類に入る
レベルである。
 その女性を武は知っていた。そして、その顔を見た瞬間”助かった”と、この屈辱に塗れた
空間から逃れられるのだと喜んだ。しかし、それはわずかな、ほんの一瞬でしかなかった。
 見た瞬間はその女性と思っていたが、何か違和感を覚える。その違和感は歩を進め、近づいて
来るに従い、それが大きく変化していった。そして武はその女性が自分の至近まで近づいた
ときにはそれは拭い去れないほど大きなものとなっていた。
「・・・何者?」
 その女性は少しの間、目を丸くして、やがてにこやかに語りかける。
「忘れたのかな?何回か会った記憶はあるけれど・・・・・・」
「黙れ・・・偽者」
 武はこの女が自分の知っている女性ではないことをはっきりと確信するに至った。天井から
吊るされ嬲られている自分を見下ろす女の眼が嘲弄と欲望に塗れていることが分かった。武の
知っているその女性はそのような眼はしていなかった。いや、眼差しだけではなかった。その
身に纏うオーラも違っていた。ヒトと妖魔の血を半分ずつ持つその女性の鬩ぎ会いながらも
調和の取れたものであるのに対し、目の前にいる女のそれは妖魔の、それも深く澱んだ妖魔の
ものであった。
「名前を言えば思い出すかな。私は・・・・・・」
「お前は京子さんじゃない!」
 武はその女を睨み付ける。その女は憎々しげに睨み付ける武の眼差しと棘の入った口調の
言葉にいささか虚をつかれたように反応し、次いでニンマリと笑い、やがて声を上げて笑った。
「やっぱり、本職は騙せないわね~」
「いっ・・・いったい、何のつもり!そんな他人をバカにするような!!」
 その女、九重京子の姿をした者の哄笑は武の勘に触れるものであった。ライバル店とはいえ
同じ退魔師として、その能力に敬意を表す相手に成りすます行為は囚われの身であっても武に
とり許容できることではなかった。


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