07/09/24 20:39:52 yQchHze70
バニーガールの手が、自分の裸体を無遠慮に触ってくる。
今、自分がまさぐっているものが実は人間だとは知らずに。
そしてショートカットの女性客の指使い、そして舌使い。
「はぁ。気持ち良かったよなあ」
つい最近の記憶を引っ張り出し、彼はその余韻に浸っていた。
桜井 正太郎。19歳。
彼には、他人には無い特殊な力が備わっていた。
いつからそんな力が身に付いたのかは自分でも解らない。
―変身能力。
正太郎はその能力でサイコロに化けてカジノのイカサマ役をこなす事によってごく一般的に生活するには充分過ぎるほどの金を稼いで来たが、とある女性客に見破られ、以来イカサマは出来なくなった。
他の店で同じ様な事をしても、噂はそのうち彼女の耳に入り、同じ結果を招いてしまうに違いない。前回は注意されるだけで済んだが、次も同じ事をやってバレてしまったらきついお灸を据えられるに違いない。
正確に言えば、正太郎が恐れているのはその女性では無く、彼女のバックに付いている組織だった。
「ま、金ならまだまだあるしな」
貯蓄は充分にある。金の心配は残高が少なくなってからする事にしよう。今は、別の事を考えていたハズだ。
変身能力を金の為に使えないのなら―
「やっぱり、アレだよな。男として」