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米国の原発企業ウエスチングハウスが、チェコ電力公社(CEZ)の新規原子力発電所第2期建設の優先交渉対象者に韓国水力原子力が選ばれたことに反発しチェコ政府に直接問題を提起した。
ウエスチングハウスは26日に報道資料を出し、「CEZが韓国水力原子力をドコバニ新規原発2期建設事業の優先交渉対象者に選んだ決定に抗議するためチェコ反独占事務所に陳情を出した」と明らかにした。
ウエスチングハウスの主張の核心は、韓国水力原子力が使っている韓国型新型原子炉であるAPR1000とAPR1400の設計が、ウエスチングハウスが特許権を持つ基本技術を活用しており、韓国水力原子力がこの原子炉を活用した原発をチェコに建設する場合、違法になるということだ。
ウエスチングハウスは「入札参加者はCEZと現地供給業者に提供する原発技術をチェコに移転し2次ライセンスを提供する権利を保有していることを証明しなければならなかった。しかし韓国水力原子力は基本技術を所有しておらず、ウエスチングハウスの許諾なくこれを第三者が使えるようにする権利を持っていない」と主張した。
ウエスチングハウスは今回のチェコ原発受注戦に自社モデルであるAP1000で韓国と競争したが、結局受注戦から脱落し、チェコ政府は先月17日に韓国水力原子力を優先交渉対象者に選定した。
ウエスチングハウスは古里(コリ)1号機の建設から韓国の原発事業に参加し関連技術を伝授してきた。また、海外に輸出される韓国型原発がウエスチングハウスのモデルに基盤を置いたのも事実だ。ただ韓国水力原子力は原子炉開発初期にウエスチングハウスの支援を受けた事実を認めながらも、輸出対象であるAPR1400などは韓国が独自に開発して米国の輸出統制の対象ではないという立場だ。
これに対しウエスチングハウスは2022年10月に米国で韓国水力原子力を相手取り訴訟を起こした。昨年9月に米ワシントンDC連邦地裁が「原発輸出統制権は全面的に米国政府にあるためウエスチングハウスに訴訟資格はない」としてこれを却下したが、ウエスチングハウスは控訴して訴訟が進められている。このためウエスチングハウスがチェコ政府に問題を提起したことは韓国水力原子力を最大限圧迫し関連紛争を有利に持ち込もうとする意図との見方も出ている。
ウエスチングハウスはこの日報道資料で「ウエスチングハウスのAP1000の代わりに(韓国水力原子力の)APR1000を導入すれば米国の技術を違法に使うだけでなくチェコと米国で創出する数千件の雇用が韓国に輸出される。特にウエスチングハウス本社があるペンシルベニアの雇用1万5000件が含まれる」と主張した。ペンシルベニアは衰退した工業地域を意味する「ラストベルト」の核心で、ここでは70日余り先に迫った11月5日の米国大統領選挙で民主党と共和党が死活をかけている地域だ。同地域の雇用問題は大統領選挙で極度に敏感な問題に選ばれる。
韓国政府はこれまでウエスチングハウスの反発の可能性と関連し「仲裁に向けた協議が進行している」という立場を明らかにしてきた。産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)長官は7月の会見で「紛争は最後の調停段階」とし、この日の訪米時も「政府間協議が円満にうまく進んでいる」と話した。大統領室も「原発輸出に支障がないよう堅固な韓米同盟の基調下で緊密に協議していく予定」と説明した。
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