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キーウィは氷河期に爆発的進化、氷河が群れ分断 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
URLリンク(natgeo.nikkeibp.co.jp)
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数百万年前、ニュージーランドへ小さな鳥が飛来した。新しい土地には、鳥にとって脅威となるものがほとんどなく、暮らしは快適。島にすむ鳥にありがちなことだが、天敵となる哺乳類がいなかったため、この鳥の子孫も次第に飛ぶ能力を失っていった。
さらに鳥たちは、哺乳類がやるように枯葉をかき分けてミミズや土の中の虫を探すように進化していった。後に、ニュージーランドの象徴として愛されるようになるキーウィの祖先たちである。
つい最近まで確認されていたキーウィの種は、オオマダラキーウィ(またはロロア)、コマダラキーウィ、そしてブラウンキーウィ(またはトコエカ)の3種のみ。どれも似たり寄ったりの外見をしている。多くの鳥は羽毛の色で見分けがつくが、夜行性のキーウィの色はどの種もほぼ同じだ。それでも、注意して観察すると違いが見えてくる。オオマダラキーウィは3種の中で最も大きく、羽毛の色は灰褐色。ブラウンキーウィはそれより少し小さく、赤みがかっている。コマダラキーウィが、3種の中では最も小さい。(参考記事:「飛べない鳥、進化の謎を解明か」)
しかし1995年、カナダのロイヤルオンタリオ博物館のアラン・ベイカー氏が、ブラウンキーウィが実は3種の別々の種だったと報告した。今では、ノースアイランドブラウン、オカリトブラウン(またはローウィ)、サザンブラウン(またはトコエカ)として知られている。彼らはいずれも見た目はそっくりだが、遺伝的に異なっている。こうして、3種とされてきたキーウィが5種に増えたが、話はそこで終わらない。
ベイカー氏は2年前に他界し、その研究を引き継いだカナダ、トロント大学スカボロ校のジェイソン・ウィアー氏が、現生キーウィに11の遺伝的に異なる系統があるとオンライン科学誌「米国科学アカデミー紀要プラス(PNAS Plus)」に発表したのだ。また、すでに絶滅したキーウィにも6種の系統があったという。すべての系統が別々の種とまで言えるほど違いがあるかどうかはまだ明らかではないが、ウィアー氏はほとんどが亜種として分類できるだろうと考えている。いずれにしても、ウィアー氏の研究によって、キーウィは多様化の象徴と言われるガラパゴスフィンチにも匹敵するバラエティ豊かな鳥であったことが明らかとなった。(参考記事:「ダーウィンフィンチのゲノム解読が広げる種の概念」)