15/11/13 21:25:20.87 .net
ポリケチド化合物の骨格形成に重要な酵素の機能解明 | 理化学研究所
URLリンク(www.riken.jp)
URLリンク(www.riken.jp)
図1 リベロマイシン構造多様化に関わる伸長基質
4種の2-アルキルマロニルCoAはPKSの機能によりリベロマイシン骨格の一部に取り込まれる。
URLリンク(www.riken.jp)
図2 RM-Aのアルキル側鎖の生合成
13C標識したオクタン酸は、RevS、 脂肪酸分解系、RevTによりブチルマロニルCoAに変換された後に、リベロマイシンAの構造中に取り込まれる。
要旨
理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター天然物生合成研究ユニットの高橋俊二ユニットリーダー、ケミカルバイオロジー研究グループの宮澤岳大学院生リサーチ・アソシエイト、
長田裕之グループディレクターらの共同研究グループ※は、ポリケチド化合物[1]の骨格形成に重要となる伸長基質[1]が生合成される仕組みを解明しました。
微生物が生産する天然化合物は複雑な化学構造を持ち、それらの中には医薬、農薬などとして利用されるものもあります。ポリケチド化合物はこのような天然化合物の1つであり、特に
放線菌[2]Streptomyces sp. SN-593は構造の違う4種類のリベロマイシンと呼ばれるポリケチド化合物を作り出すことが知られています。このように、多様な構造を持つリベロマイシンは、
他のポリケチド化合物の骨格形成に用いられる伸長基質とは違うユニークな伸長基質(2-アルキルマロニルCoA)を持ちます。共同研究グループは、この2-アルキルマロニルCoAの生合成に
関わる遺伝子を絞りこみ、その遺伝子の働きを遺伝子欠損株を利用して調べ、そして各遺伝子に由来する酵素の機能を調べることで、2-アルキルマロニルの生合成される仕組みを
明らかにしました。
ポリケチド骨格を形成する伸長基質の種類は限られており、本研究で見出した2-アルキルマロニルCoA生合成システムを活用することによって、創薬の探索源となるポリケチド化合物の
構造多様性の拡張が期待できます。
本研究は、科学研究費補助金、農林水産省の農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(研究課題「ケミカルバイオロジーを基盤とした農薬等の探索研究」支援等により実施され、
成果は米国の科学雑誌『The Journal of Biological Chemistry』(11月6日)、オンライン版(9月16日付け:日本時間9月17日)に掲載されました。
(以下略)