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オンタリオ州アタワピスカトの生活水準向上をカナダ議会に訴える先住民の人々＝２０１３年１月、オタワ（ＡＦＰ＝時事）
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カナダの先住民の集落で若者を中心に自殺や自殺未遂が相次ぎ、社会問題となっている。
報道によると、今年２月までの約半年で７人が自ら命を絶った。未遂も１００件を超え、二つの集落で非常事態が宣言された。
中部マニトバ州クロスレイクの集落（人口約６０００人）では、２月末までの３カ月足らずで１０代の若者ら６人が自殺。
未遂も数十件に上り、集落自治体は３月上旬に非常事態を宣言した。
４月に入り、隣接するオンタリオ州アタワピスカトの集落（約２０００人）も同様の措置を取った。
ここでは昨年９月以降、１００人余が自殺しようとし、１人が死亡した。
背景として、貧困や失業、住宅不足といった先住民に多い経済的苦境のほか、地域にメンタルヘルスの専門家が
不足していることなどが指摘されている。アタワピスカトを含む先住民集落の合同評議会でトップを務めるソロモン氏は、
カナダのテレビに「第三世界並みの生活水準と絶望感」が人々を自殺に追い込んでいると語った。
カナダでは１９世紀後半～２０世紀後半、先住民の子供を家族から引き離し、寄宿学校などで欧州式の教育を施したり、
福祉を提供したりする差別的政策が取られた。これらが自殺問題に関係していると推測する見方もある。
最近公表された調査報告書は、そうした政策のために「子供たちは先住民であることに恥の意識を持ったり、
自らの言語を忘れたりし、家族との意思疎通に問題が生じた」と指摘。
心に傷を抱えて成人し、今度はわが子を虐待、自殺に追い込むなど悪循環が生まれた可能性に言及した。
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