16/11/06 11:44:47.76 CAP_USER.net
あなたはサークルクラッシュという言葉を聞いたことがあるだろうか? 「まったく聞いたことがない」という人からすると、「クラッシュ」という言葉の響きから「物理的な破壊行為」をイメージするかもしれないが、そんな物騒な話ではない。
例えば、恋愛に慣れていない男ばかりのサークルに、女性が一人入ってくる。男たちはその女性に群がり、ドロドロの三角関係、四角関係……となっていく。結果、サークルが崩壊する。
サークルクラッシュとは、簡単に言えば、「一人の異性を巡る恋愛」によって集団の人間関係が悪化することである。その「一人の異性」はサークルクラッシャーやクラッシャーと呼ばれる。
これは主にインターネット上で流行してきた言葉で、「サークラ」などとも略されるが、ネットでは女性がサークルクラッシャーとみなされるケースが圧倒的に多い。そのため、侮蔑的な意味合いを込めて「サークラ女」などと呼ばれることもある。
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しかし、サークルクラッシュは「あるあるネタ」で済んでしまう単純な話なのだろうか? この現象の背景には何か重大な問題が隠れているのではないのか?
そんな問題意識から筆者はサークルクラッシュについて研究・取材を重ねてきた。結論から言えば、サークルクラッシュは現代社会の人間関係を象徴した現象であり、
「無縁社会・コミュニケーション能力・承認欲求・居場所・生きづらさ」といった現代社会の病理までも把握できる射程を持っていると筆者は主張したい。
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2012年5月18日(金)「あるオタクサークルの新歓コンパにて」
ある大学のオタクサークル(「げんしけん」をイメージしてもらえば分かりやすいかもしれない)では、新しくサークルに入る新入生を歓迎し、新歓コンパ(飲み会)を開いていた。
サークルのみんながワイワイ騒いでいる中、新入生の男、高橋は話題もなく、話せずにいた。一人ポツンと取り残されたような感覚。大勢の場で馴染めないことに、高橋はもはや慣れてしまっているのだが……。
そこに新入生の加奈子が話しかけてきた。加奈子は低身長で長い黒髪の、清楚に見える女の子だった。
「アイマス好きなんですかー?」
高橋はびっくりしたが、自分がカバンにキャラクターのストラップをつけていたことを思い出す。「あ……うん」 反応が遅れながらも答える。「私も好きなんですよ! 誰が好きですか? 私は千早が好きで……」
加奈子はそんな反応にお構いなしという感じで、楽しそうに高橋と話をした。オタク趣味にもかかわらず気兼ねなく話せる加奈子に、高橋は好感を持った。
このように、集団の中でも疎外感をおぼえやすい、いわゆる「コミュ障」的な男(クラッシャられ)はクラッシャーと結びつきやすい。加奈子としては誰にでも話しかけているだけなのだが、その後、高橋は加奈子に対して積極的にコミュニケーションを取るようになる。
高橋はTwitter上で加奈子のツイートをお気に入りにしたり、頻繁にリプライを飛ばしたりする。加奈子はそんな状況に気持ち良さをおぼえる。
高橋の方は「コミュ障オタク」である自分に壁を作らずに話しかけてくれる加奈子に惹かれ、自分の理想を投影してしまう。
「他の女は僕を虐げてきたけど、この子は違うんだ」というミソジニー(女性嫌悪)が根底にあることも多い。
一方、加奈子の方は、自分の承認欲求を満たしてくれる男に対して「エサを与える」のである。この時点ではまだある種のwin-winな関係性が成立してしまっている。
(中略)
しかし、加奈子はサークルで過ごす中で、仲元という先輩を好きになっていった。仲元はサークル内で中心的な立場の男だった。加奈子は、自分がサークルの男たちから一目置かれていることに半ば気づいており、その状況を楽しんでいた。
ある男は楽しそうに加奈子に話しかけてくる。また、女性と話すことに慣れない男は加奈子が話しかけるとドギマギした様子で、何かよく分からない部分を褒めてくれる。高橋もそんな一人だった。しかし、加奈子以外の女子部員は男にチヤホヤされる加奈子を疎ましく思っていた。
実際、クラッシャーは女性からは孤立することが多い。というのは、男にチヤホヤされるからだ。それは女性から嫉妬されるというよりもむしろ、「チヤホヤされるための行動を取っている」という「ぶりっ子」的な行動への嫌悪感である。
また、クラッシャー自身も女性同士でよくある「合わせる」コミュニケーションが苦手で、そのため男といる方がラクということは多い。
(抜粋。全文はソースにて)
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