17/03/17 13:37:29.35 CAP_USER.net
(中略)
しかし今、この「局地バブル」には崩壊の兆しが見える。
まず、何よりも新築マンションが売れなくなった。私は、東京23区のうち20区の新築マンションの建設現場を、
1クール3か月という周期でくまなく見て回り、その内容を「資産価値レポート」にまとめてネットで有料頒布している。
最近、その資産価値レポートの中身を最新情報に更新するたび、「完成在庫」の増加が目立っている。
完成在庫とは、すでにマンション建物が完成しているにもかかわらず、売れ残った住戸がある状態のことだ。
例えば、世田谷区では16年の夏ごろから、販売中の物件の6割強が完成在庫になっている。
世田谷区は都心バブルが最も早く近郊に及んだエリア。さらに、最も遅くバブルがやってきた江戸川区でさえ、
現状で販売物件の7割以上が完成在庫になっている。私はこの資産価値レポートを7年以上も作成しているが、これほど完成在庫の割合が高まったことはなかった。
つまり、新築マンションが売れていないのだ。
これは統計数字にも表れている。不動産経済研究所によると、16年の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に
おける新築マンションの年間供給は、前年より11.6%減の3万5772戸。契約率は68.8%で、09年以降初めて70%を下回った。
さらに、平均価格は0.5%ダウンの5490万円で4年ぶりの下落となった。
このように、すでに16年時点で、マンションが「売れない」兆候は表面化していた。
17年に入って、この傾向はさらに強まっている。その結果、デベロッパーたちはこれまでの強気の事業姿勢を見直し、
今以上の高値で開発分譲する予定だった用地を「塩漬け」にしているのだ。
その例として分かりやすいのは、江東区の湾岸エリアだ。ここには二つの象徴的なタワーマンションがある。
ともに「東京ワンダフルプロジェクト」という冠を付けられた「スカイズ」と「ベイズ」の2物件だ。地下鉄有楽町線
の豊洲駅からそれぞれ徒歩12分と11分。最近話題の豊洲新市場に近い。
先に完成したスカイズ(44階、1110戸)は、13年の新築販売時に20年の東京五輪開催決定で注目を集め、
短期間で完売した。販売価格は、3LDK(75平方メートル)で5800万円台(坪単価250万円台)。
その後、16年7月に完成したベイズ(31階、550戸)は6000万円台(同260万円台)となり、いずれも強気の価格設定となった。
買い手も借り手もつかない
スカイズより低層にもかかわらず、隣接するベイズが高値を維持したため、16年の初めには、スカイズの中古価格
が坪単価300万円を超える相場観を形成。実際、このスカイズとベイズからは、大量の売り物件が流通市場に出始めた。
値上がりを期待して投資的に購入された住戸が多かったのだ。
ところが、政府指定の不動産流通機構「レインズ」の情報に出てくるベイズの成約事例は、17年1月末時点でわずか2件。
多くの物件が売り出されている割に、買い手がつかない状態が続いている。
つまり、都心などでにわかに湧き上がったマンションバブルは、一部ではすでに崩れようとしているのだ。
先日、このベイズを賃貸運用目的で購入した男性と話す機会があった。
「同じマンションで賃貸に出している住戸がたくさんあるため、なかなか借り手がつかない状態だ」と男性は嘆く。
「管理費など毎月のランニングコストやローンの支払いがあるので、やりくりが苦しい。賃料を下げようか悩んでいる」
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