17/02/02 11:06:32.75 CAP_USER.net
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昨年9月1日、「カナダ、中国主導のAIIBに9月中にも加盟申請へ」という北京発ロイター電に、一部の日本人が心の穏やかさを失ったはずだ。
当時、トルドー・カナダ首相に同行して中国を訪問しているモルノー同財務相はAIIBが非常に有効な国際機関になる兆しが見られると指摘し、
昨年9月中の加盟申請を目指す方針を示した。
米国のホワイトハウスのアーネスト報道官も、米国とカナダの当局者はAIIB加盟について連絡を取り合っていると記者団に説明した。
AIIBの金立群総裁は記者団に「カナダの参加決定はAIIBの運営を大幅に強化する」と述べたうえ
、「米国のAIIBに対する態度に変化の兆しが見られる。また世界銀行のAIIBとの協調拡大は心強い」と語った。
17年1月下旬、中国の環球時報などのメディアが相次いで「中国主導のAIIBにカナダ、アイルランド、スーダン、
エチオピアなど25ヵ国が新加入へ、米国加入の可能性も」といった内容のニュースを配信した。
同1月24日付英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに、金総裁は、今年は新たな参加予定国には含まれていないが、
トランプ大統領率いる米国が加盟する可能性もある。昨秋、トランプ米大統領の政権移行チームがオバマ大統領(当時)の
AIIB不参加の決定を批判していた、と語り、新政権で米国に変化が生じる可能性もあると指摘していた。
実際、愚直に米国に追随して行動する日本も、こうした米国の変身ぶりに度肝を抜かれている。
トランプ大統領の上級顧問(安全保障問題担当)を務めるジェームズ・ウールジー氏がAIIBに参加すべきだと主張し、
(AIIBに)米国が参加しなかったことについて「戦略的な誤り」との認識を示した。ジェームズ・ウールジー氏が元中央情報局長官だったという
事実もこの発言の重みを増している。このニュースによる大きな衝撃が日本に駆け抜けたと嘆くような記事が出ている。
ただ、米国が即AIIB加盟へという方向へは、事はそう簡単に運ばないと思う。最近、トランプ大統領の側近である
スティーブン・ムニューチン氏が昨年11月16日、「インフラ投資の資金調達でインフラ銀の設立を検討する」と明言している。
「アメリカ・インフラ投資銀行(American Infrastruture Investment Bank)」の設立を考えているのだろう。その銀行も略せばAIIBとなる。
中国主導のAIIBと同じ表現になり、ちょっと紛らわしいが、米国版AIIBの誕生の可能性も絶対ないとは言えない。
だから、改めて日本に提案する。AIIBに加盟するかどうかという具体的な案件への各々の対応策という次元の問題よりも、
日本は「落ち着いて冷静に」日中関係を見つめる姿勢を保っていくことが重要だ。
そうすれば、日中関係を推進するのに大事なシグナルを見落とさずに、進むべき方向も間違えずに済む。