16/12/20 14:13:07.03 CAP_USER.net
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しかし「2島先行返還の実現可能性は高い」と言い切ったロシア通3人組の予測は、見事に外れた。
ロシアの食い逃げを許す屈辱的外交交渉の片棒を担いだと言われても仕方がないだろう。
一方、高笑いしているに違いないロシア側の鼻息は荒い。
大型事業「シベリア鉄道の北海道延伸」(約1兆円)と「天然ガスパイプライン敷設(サハリン~日本)」(約7000億円)を提案しているのだ。
12月17日付の読売新聞は、次のように報じた。
「ロシア極東発展省のシェラハエフ極東投資輸出局長は16日、東京都内で読売新聞などの取材に応じた。
ロシア側が日本政府に提案したシベリア鉄道の北海道への延伸や、
サハリンと北海道の間をパイプラインや送電線でつなぐ大型事業案について、『実現の可能性は大きい』と期待を込めて話した。
パイプラインを延ばす計画では、『日本企業と積極的に話し合いをしている』と強調した」
また飯島勲著『リーダーの掟 プーチン絶賛の仕事術』(プレジデント社)を見ると、シベリア鉄道北海道延伸計画は
「飯島プラン」と名付けられ、「私の残りの人生のすべてをかけて実現させようと考えている」と飯島氏は意気込んでいた。
「総事業費は九〇〇〇億円」とも試算。すでにサハリンには日本の統治時代に建設された鉄道があり、
樺太(サハリン)と宗谷海峡を隔てた稚内の間の未着工区間は約90キロで、
日本の工事単価「線路一キロメートル当たり一〇〇億円」をかけて9000億円と見積もっていた。そして飯島氏はこう結論づけた。
「プーチンにもこの『飯島プラン』は届けた。ついには、プーチンからの了承を書面で得ることができた。残るは、日本政府だ」
しかし元サハリン駐在の商社マンの杉浦敏広氏(環日本海経済研究所・共同研究員)は、「経済合理性をチェックすべき」と警告していた。
「サハリン島最南端のクリリオン岬から北海道最北端の稚内までトンネルを建設したり、架橋したりする構想ですが、
物流がないのにトンネルや架橋しても無意味です。現場を知らない人たちが利権目当てでトンネル建設や架橋の話を出している感じですが、
もう少し
冷静な議論が必要です。なおサハリンには日本が作った鉄道がありますが、狭軌(1067ミリ)で、シベリア鉄道の広軌(1520ミリ)
に対応する必要もあります」(杉原氏談)
もう一つの目玉事業の「天然ガスパイプライン」も、ロシア側の提案に呼応するかのように自民党国会議員が
「日露天然ガスパイプライン推進議員連盟」を設立。11月に提言・要望書をまとめていた。その内容は、
サハリンから稚内(北海道)・むつ小川原(青森)・日立(茨城)を経て東京湾に至る1500キロに天然ガスパイプラインを設置する構想。
建設費は7000億円と見積もられ、北海道内の部分と本州内の部分は陸上であった。
しかし、この事業についても杉浦氏は首を傾げていた。
「日本では土地代が高い。『鉄道や高速道路の下に敷くといい』という人がいるが、設置工事は30メートル位の幅で、
穴を掘って重機でパイプを設置する大規模工事。想定より工事費が膨らむのは確実で、沿岸に海底パイプラインを建設する方が
総工費は遥かに安いでしょう」
陸上で大規模工事となれば、地元の建設業者の仕事が増える。当然、推進してくれた自民党国会議員に
政治献金や選挙応援をしたくなるのは言うまでもない。陸上ルートにはそんな狙いが込められているようにみえて仕方がないのだ。
「日露経済協力を旗印にした地元への利益誘導(公共事業推進)」と疑われても仕方がないだろう。
シベリア鉄道の北海道延伸についても、実現にはJR北海道の再建が不可欠だ。延伸先の稚内からの宗谷線などの
道内路線の約半分を廃線にする計画を出すほどの経営危機にあるためで、地元記者はこんな疑いの眼差しを向けていた。
「安倍政権が本気なら『シベリア鉄道延伸に向けてJR北海道をテコ入れします』と宣言、JR北海道はもちろん
地元の自治体や国会議員らとの協議を始めていないとおかしい。夢を実現するための課題の洗い出しや
対策実施に向けた議論に着手しないのでは、自民党の選挙対策のための税金バラマキと批判されても仕方がないでしょう」