16/11/13 11:36:10.83 CAP_USER.net
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事実上発効の可能性がほぼなくなったTPPの承認案・関連法案を強行採決するという恥を世界にさらした
ばかりの安倍首相。だが、じつはアメリカ大統領選の前日にあたる8日にも、厚かましいにも程があるメッセージを発表していた。
それは、「日本の未来を担うみなさんへ」と題されたもので、子どもの貧困対策の一環として立ち上げた
「子どもの未来応援国民運動」1周年の集いで公表された。その文章は、〈あなたは決してひとりではありません〉というポエム調の一文からはじまる。
〈こども食堂でともにテーブルを囲んでくれるおじさん、おばさん。
学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。
あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、そばで支え、その手を導いてくれる人が必ずいます。
あなたの未来を決めるのはあなた自身です。
あなたが興味をもったこと、好きなことに思い切りチャレンジしてください。
あなたが夢をかなえ、活躍することを、応援しています。
平成28年11月8日 内閣総理大臣 安倍晋三〉
原文はすべての漢字にルビが振られているように、このメッセージは子どもたちに向けられたもの。
社会は君をひとりぼっちにしないよ、好きなことに挑戦して夢をかなえようね─。
なんとも美しいメッセージだが、この文章では地域社会の人びとの支えが語られるだけで、
メッセージ発信者たる安倍首相が子どもたちを「どんなふうに支えるか」は一切ないまま「応援しています」と言うだけ。
しかも、安倍首相はこの「子供の未来応援国民運動」1周年の集いで、こんな挨拶までおこなっている。
「様々な困難を抱える子供たちがいます。その勉強を助け、食事を出し、あるいは、落ち着いて居られる場所を用意する。
そういった活動を支援団体の皆様に、是非、続けていただきたい」
「是非、続けていただきたい」という他人事感─。徹頭徹尾、安倍首相は子どもの貧困を政策として捉えず、
地域と子ども本人の努力の問題として片付けようとしているのだ。
だいたい、子どもの貧困対策として安倍首相が打ち出したこの「子どもの未来応援国民運動」の目玉は、
民間から募金を集めてそれをNPOなどに助成するという完全に他力本願の施策だった。しかも、広報に約2億円超をつぎ込んだのに、
募金開始から約5カ月で集まったのは、たったの2000万円。その後、なんとか7億円を集めたというが、
繰り返すがこれは民間からの寄付で国は募金を呼びかけただけだ。
さらに、安倍首相はこども食堂の取り組みをあたかも自分が発案したかのように自慢気に語っているが、
こども食堂は民間からはじまったもので、国がやらないから地域の人びとが自発的にはじめた活動だ。
本来ならば「勉強を助け、食事を出し、居場所を用意する」のは社会保障として政府がおこなうべきものなのだが、
この国の総理大臣は「民間から集めた募金で、もっとがんばって」と丸投げするのである。ずうずうしいにも程があるだろう。
そもそも、日本はいま、子どもの貧困が6人に1人という“貧困大国”状態にある。にもかかわらず、
安倍首相に危機感はゼロ。実際、今年1月の国会でも「日本は貧困かといえば、決してそんなことはない」
「日本は世界の標準で見て、かなり裕福な国」などと現実から乖離した発言をおこなった。
2014年に閣議決定した「子どもの貧困対策大綱」にしても数値目標を明示せず、
今年4月に厚労省が子どもの貧困対策費として計上したのはたったの33億円だ。
(以下略)