16/10/31 09:38:30.49 CAP_USER.net
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一部の報道によると、今日28日に衆院通過のための強行採決が行われるのではないかと言われていました。
さすがにそれはなくなりましたが、与党は、今国会での承認を目指して、11月1日(火)の衆院通過を目指しているようです。
バカなことだと思います。周知のとおり、米国でもTPPに否定的な意見が多数を占め、大統領選の候補者であるトランプ氏もクリントン氏もTPP反対の立場を明らかにしています。
なぜ日本が急ぐ必要があるのでしょうか。TPPをめぐる国会審議は、十分に行われてきたとは全く言えません。TPPに関して、まずいと思われる個所は多々あります。
(以下抜粋)
(1)漁業権
一つは漁業権に関してです。つまり、ある海域で漁をする権利です。山田氏は、TPPの協定文では、
日本は漁業権をきちんと守っていないのではないかと指摘しています。現在、漁業権は、各地域の漁協に優先的に割り当てられていますが、これを国際入札制度にせざるを得なくなるのではないかというのです。
こうなると、日本のある地域の漁業権が、地元の漁協ではなく外資系の水産会社によって落札される可能性が生じます。
地元の漁民は、その外資系の会社に雇われない限り、先祖代々漁をしてきた海から締め出されてしまう事態が生じかねません。
実際、先例があります。宮城県の村井嘉浩知事は、東日本大震災ののち、「水産業復興特区」を設け、
石巻市桃浦地区の漁業権を仙台市の大手水産会社に与えました。漁協以外で漁業権を得たのは初めてのケースだったそうです。
類似した事例は、今年6月の英国のEU離脱でも問題になりました。EUでも、漁業権はEUの管理下に置かれたため、
英国では、漁師が、地元の海で漁ができない事態が生じました。そのため当然ながら、英国の漁業関係者は、9割がたがEU離脱を支持したそうです。
(2)骨抜きにされる国民皆保険制度
次に、国民皆保険制度についてです。国民皆保険制度に関して、政府は、TPPの例外事項であるから心配ないと繰り返しています。
つい先日の国会審議でも、塩崎厚労相はそのように答弁していました。
確かに、国民皆保険制度それ自体が、TPP発効後、ただちに解体されるということはなさそうです。TPP協定合意案文の第11章「金融サービス章」には、
「公的年金計画又は社会保障制度に係る法律上の制度の一部を形成する活動やサービス」には適用しないとありますので。
ですが、それで本当に国民皆保険制度が守られたのかというと、どうもそうとは言えないようです。協定文には次のような但し書きもあるからです。
「ただし、締約国が自国の金融機関に対し…、公的機関または金融機関との競争を行うことを認める場合には、
当該活動又はサービスについて適用する」。山田氏によれば、ここにある「金融機関」には、例えば、アフラックのような民間保険会社も含まれます。
いわゆる混合診療は、一部すでに始まっています。つまり、保険適用の治療については保険で賄い、保険外の先端医療を受けた場合は、その保険外の部分は自己負担するというやり方です。
(3)国や自治体が法人税を上げたら外国企業から訴えられる恐れがある
これも悪夢のような話ですが、山田氏の著書の指摘によれば、TPP発効後、政府や自治体が法人税率を引き上げたら、ISD条項に基づき外国企業から訴えられるようになるかもしれません。
TPPでは、投資受け入れ国は、「間接収容」をしてはならないことになっています。この「間接収容」とは、大変わかりにくい概念です。
一般に「収容(直接収容)」とは、ある国の政府や地方自治体が、公の目的のために、個人や企業から私有財産(土地や建物など)を取り上げてしまうことを指します。
TPPなどの国際投資協定では、近年、この「直接収容」だけでなく「間接収容」という概念も使われており、
これは、「所有権等の移動を伴わなくとも、裁量的な許認可の剥奪や生産上限の規定など、投資財産の利用やそこから得られる収益を侵害するような措置も収容に含まれる」と説明されるものです。
(「間接収容」の概念については、岩月浩二弁護士のブログ『街の弁護士日記』が参考になります)。
他にも、昨日の国会質疑でも内田氏が言及していましたが、驚くべきことにエジプトでは、
政府が最低賃金を引き上げたために、エジプトの産業廃棄物処理関連に投資していたフランス企業からISD条項に基づき政府が訴えられた例もあるそうです。