16/10/03 10:28:25.73 CAP_USER.net
増田利明著『ホープレス労働 働く人のホンネ』(労働開発研究会)という本が話題になっています。今年の6月に出た書籍です。
URLリンク(www.roudou-kk.co.jp)
「ホープレス(希望なし)」とはよく言ったもので,確かに日本の労働者の現況を言い当てているように思います。若者にあっては,とりわけ当てはまるでしょう。
内閣府の『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)では,「自分の将来について,明るい希望を持っているか」
と尋ねています(Q7)。この回答のデータをみることで,若者の希望の国際比較ができます。
URLリンク(www8.cao.go.jp)
オーソドックスな主題ですので,既に本ブログでもやっていたかと思いきや,そうではないようなので,ここでデータを提示することにします。
若者といっても,一枚岩の存在ではありません。関心がもたれるのは,正社員にありつけた者と,そうでない者の違いです。
雇用の非正規化が進んでいる現在では,なおさらのこと。上記調査のローデータ(個票データ)を独自に分析し,この点を国ごとに明らかにしてみました。
私は,20代の対象者(学生は除く)を取り出し,希望があると答えた者の割合を,正社員の群とその他の群について計算してみました。
男女で傾向が異なると思われるので,性別で仕分けています。
下表は,結果の一覧です。正社員とその他の群の希望率が,国別・性別に示されています。カッコ内の数値は,%値の母数です。
日本の男性の場合,正社員が141人,その他が89人であることを意味します。ドイツの男性のその他は,サンプルサイズが小さいことに留意ください。
男女とも,日本の希望率は他国に比して段違いに低くなっています。正社員でいうと,他国では8~9割なのに対し,日本の男性は55.3%,女性は60.2%です。
正社員とその他の落差が大きいのも特徴。男性では,正社員が55.3%,その他が30.3%で,実に25ポイントも開いています。
これがホンマの希望格差。正社員とそれ以外では,収入や各種の保障に差がつけられており,
「正社員にあらずんば,人にあらず」みたいな社会ですからね。女性にはみられない,男性固有の傾向であるのも注目されます。
日本の男性サンプル(計230人)に占める,その他の89人の比率は38.7%で,決して少数派ではありません。
母集団全体でみても,最近ではこんなものじゃないでしょうか。
URLリンク(4.bp.blogspot.com)
URLリンク(3.bp.blogspot.com)
(以下略)
URLリンク(tmaita77.blogspot.jp)