16/09/08 11:55:21.37 CAP_USER.net
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引きこもる人が何とか社会につながったとしても、自立後の課題が立ちふさがる。
引きこもり経験のある京都府在住の「たなかきょう」さん(芸名、40歳)は現在、月18万円ほどのNPOで働く傍ら月に4~5回、ライブ活動を行っている。ライブの収入は、年に50~60万円くらいだ。CDも出している。
元々、たなかさんは、ライブハウスに行けるようになったことがきっかけで、社会に出られるようになった。
18歳の頃から断続的に引きこもってきた。本格的にこもったのは、26歳のときから4年間。壁から声が聞こえるような気がした。
皆が見ているような気がして、怖くて電車に乗ることもできなかった。自分でも「引きこもっているんだな」と感じた。
自分が引きこもったのも、幼少期の父親が原因だったと思っている。
「期待してくれてたんでしょうけど、“できへんかったら死んでしまえ”などと殴られました」
父親には、しんどいとき、わかってほしかった。一般論で「これが正しい」と理論をすり替えるのではなく、もっとありのままの感情論を聞けたら良かったなと思う。
母親も「あなたのためだから」とよく口にした。自分のためでいいのに、自分のために、とは言ってくれなかった。
だんだんと自分を追いつめている感じがあった。聞こえてくるような気がしたのは、自分の声だったのかもしれない。
ただ、自分の中でずっと闘っているように思えた。
「なんで生きてるんだろう?」
死ねないことがつらかった。子どもの頃から、存在感の薄さを感じていた。
きっかけがあれば、死にたいと思った。でも、何もできなかった。
「それなら、もういいや、できなくてもいいから、やりたいことをやろう」
(中略)
ネットで知り合った女性と結婚も
500万円のローンさえ通らない
パートナーに出会うことが、生きる力につながる。
引きこもった後、ネット上でパートナーと思える女性と出会い、結婚した
「家においで」と言われ、彼女の実家に転がり込んだ。彼女の親と一緒にいると、自分の親のように説教されることがないので楽だった。
そんな2人に、子どもが産まれた。しかし、それまで行政関係の手続きについて、まったくわかっていなかった。
妻が妊娠したのがきっかけで訪れた窓口で言われたのは、健康保険などの未納が60万円くらいあったこと。
仕事に就いたものの、収入はほとんど社会保険料にもっていかれた。
子どもができて、「1人前」になるために、500万円の家をローンで買おうと思った。
ところが、「履歴に空白があることや、収入が低いことと年齢」を理由に金融機関の審査が通らなかったという。何千万円とかではなく、500万円のローンさえ通らなかったことがショックだった。
なぜ、たなかさんが家にこだわっているかというと、月8万円の家賃が払っていけないからだ。500万円の家が買えれば、
月2万円ほどのローンの出費で済む。
しかし、1度でも引きこもってしまった人は、親の支援が得られる場合は別として、空白の履歴などがネックになり、自分の力で家を持つ夢さえ難しくなる。
「僕が疑問に思ったのは、当時の引きこもり支援って、“外に出たほうがいい”などと、
希望があるようなことしかしゃべらない。実際、この現実を話したら、就労する人が何人いるのか。
就職するスキルだけを教えるのではなく、ありのままを伝えて、生き方を蓄えていく方法がないのか、一緒に探してほしい」
どうしたら、しんどい思いをしたところでつながって、皆で一緒に頑張っていけるのか。
「引きこもり」経験者の自立後の課題である、幸せな生き方の道を模索し続けている。