16/08/28 10:48:21.40 CAP_USER.net
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日本経済の頼みの綱とされてきた中国人観光客による爆買いが、その賑わいを失いつつある。
日本百貨店協会が発表した4月の免税総売上高が、前年同月比で39か月ぶりにマイナスに転じたのだ。
以降、3か月連続して前年割れを記録。だが、昨年8月と現在を比べた上のデータを見てもわかる通り、
購買者数は減少しておらず、爆買い客の財布の紐が固くなったことを示している。
「1年前は数百万円するスイス製高級時計が一日に1本は売れていたのに、今は週1本売れればいいほう。
爆買いバブルは終わりました」(東京・新宿の時計店の店員)
爆買い終了の主な要因としてメディアでよく語られるのは円高と中国当局による関税引き上げだが、実はそれだけではない。
爆買い中国人観光客を巧みに獲得した家電量販大手のラオックスは、’14年8月からの1年足らずで株価が10倍になり、
昨年7月には5550円をつけた。しかし、爆買いの冷え込みで全戻しに近い状態となり、現在は700円前後で推移している。
「同社の低迷の原因に爆買い収束のヒントがある」と語るのは中国人ジャーナリストの周来友氏だ。
「ラオックスはツアーを催行する旅行代理店とキックバック契約を結んで集客していた。商品の多くは、
一般の家電量販店と比べても2~3割も高かった。しかし、そのことが訪日中国人にも知れ渡った。
繁華街の一般店舗でも免税手続きができることが徐々に広まり、ボッタクられていることがわかったのです。
爆買いの象徴だったラオックス銀座本店前には、相変わらず中国人観光客を乗せた大型バスが乗り付けていますが、
店を素通りして別の場所で買い物を楽しむ人が増えています」
中国の旅行代理店はツアー価格に利益を乗せず、現地でツアー客を誘導した免税店や飲食店から
のキックバックで収益を確保するというビジネスモデルを長らく続けていた。だが、噂が中国のネットやSNSで広がり、
キックバックシステムを嫌う中国人観光客が増えたのだ。
「上海発2泊3日で1800元(約3万円)というキックバック抜きでは成立しないような激安ツアーは今もある。何で収益を得ているかというと、
一日ひとり当たり800元(約1万3000円)の“追加料金”を支払えば、自由行動ができるというオプションです。
追加料金と引き換えに自由を選ぶツアー参加者は、美術館巡りや登山をしたりしています。観
光テーマに応じた20人以下の小規模ツアーも多く、個人旅行者の割合も増えたことで、
中国人観光客の日本での過ごし方が多様化しています。百貨店や大型免税店に爆買い客が集中する時代が終わったと思います」(手配業務を受託する旅行会社の社員)
一方、周氏は中国人観光客が抱える疑心暗鬼が、財布の紐を固くしている面もあると話す。
「爆買いブームに乗り、百貨店や小売店では中国語対応スタッフを配置したり、
中国人に人気の商品を充実させるなどの企業努力を行った。でも、これが仇となった。
キックバックの横行で『中国人相手の店は割高』という負のイメージが定着。今や小売店でも飲食店でも
『中国語表示のある店には行かない』という観光客も多い」
中国人による爆買いは、消えたわけではなく、一極集中型から、対象や場所が分散したようだ。