16/08/24 21:39:19.83 CAP_USER.net
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リオデジャネイロオリンピックは17日間の熱戦を繰り広げ、8月21日(日本時間22日)に閉幕する。閉会式で五輪旗を引き継ぎ、
4年後の2020年夏には、いよいよ東京大会を迎える。
オリンピックは、開催国の経済を刺激し、活況をもたらすことが期待される。開催前には、会場の建設、都市のインフラ整備、
報道機関や観戦客を接遇するソフト面での準備などで投資が促され、その相乗効果で国内需要が拡大すると見込まれる。
しかし、オリンピック開催後はどうだろうか。オリンピックに起因する経済刺激効果は消失し、それが高じると経済成長率が鈍化することも懸念される。
証券不況に見舞われた前回の東京五輪後
ちなみに、かつて1964年10月に開催された東京オリンピックの後、高度成長期の最中「昭和40年不況(または証券不況)」と呼ばれる
景気後退に直面した。その原因には、オリンピックの経済刺激効果がなくなっただけではなく、金融引き締め政策に起因し
た設備投資の減少、企業業績の悪化があり、さらには株価下落等の影響を受けた山一證券の取り付け騒ぎと経営危機が追い打ちをかけた。
当時、日本の実質経済成長率(実質GDP増加率)は、1963年8.8%、1964年11.2%だったが、1965年は5.7%と鈍化した。
結局、山一證券の経営危機に対しては、日銀特融で対処して金融システム不安に波及することを避け、(現在の財政法が施行されてから)
戦後初めて国債を発行して短期的に需要を喚起した。この経緯を知る人は、2020年の東京オリンピック後に、
1964年の東京大会と似たような不況に直面するのではないかという見方をする人もいる。
オリンピックは、スポーツの祭典としてだけでなく、開催国の経済を活性化するイベントとしても注目されるが、
過去の大会で開催国の経済はどうなったかをみてみよう。経済構造や統計の取り方によって差異が生じてはいけないので、
以下では、OECD(経済協力開発機構)が統一的に公表しているGDP統計に基づいて比較可能で、
石油ショック(あるいはスミソニアン体制崩壊後の変動相場制移行)以降に開催されたオリンピック夏季大会(1980年モスクワ大会のソ連を除く)9回について、
開催国の実質経済成長率が大会開催前後でどう変化したかを明らかにする。
実質経済成長率の高低を比較するにしても、高成長期にある国と安定成長期にある国とでは単純には比較できない。
そこで、オリンピック開催年の実質経済成長率を100として比較する。ちなみに、1980年前後のソ連のデータはとることができない。