16/08/13 09:56:14.71 CAP_USER.net
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国民7割がTPP協定に反対
―TPP12カ国合意の船頭役を果たしたアメリカのTPP協定発効が、不透明になってきました。
次期大統領候補である共和党のドナルド・トランプ氏はTPP離脱を明言、同じく民主党候補者のヒラリー・クリントン氏は
「TPP協定最終合意の内容は、アメリカ人の賃金を上昇させるものにはならない」と言い、再交渉を示唆しています。
先生はこのアメリカの動きについては、どのようにお感じですか。
山田 ドナルド・トランプ氏については、日本の新聞・TVの報道では過激な発言など面白おかしく取り上げられることが多いです。
しかし、トランプ氏はウォール街からは1ドルのお金も受け取っておりません。
政策的には、新自由主義の在り方の見直し、貧困格差の拡大を是正、行き過ぎたグローバリゼーションの調整などを掲げ、
多くの貧困層から確実な指示を得ています。もともと共和党の支持者はTPP賛成派が多いのですが、
最近は「ISDS条項で国の主権が失われる」ことが浸透し、TPP協定反対の党員が増えています。
ヒラリー・クリントン氏は、もともとTPP推進派でした。しかし、現在は「現状には反対」再交渉の必要性を示唆するようになっています。
もともと、環境団体や労働組合が支持母体である民主党員は、圧倒的にTPP協定に反対です。民主党の支持母体である
全米労働総同盟(日本の連合に相当)のリチャード・トラカム会長は、私がお会いした際に「TPPに賛成する下院議員は1人残らず落選させる」と言っていました。
トランプ、クリントンという2人の大統領候補はもちろん、現在米国では、米議会も各州議会も反対、決定的な事実を言えば、
国民の7割がTPP協定に反対しています。この背景には、20年前に締結した北米自由貿易協定(NAFTA)の失敗があり、懲りているのです。
―米国と日本(TPP協定に賛成)以外の国の進捗は、どうなっているのでしょうか。
山田 残りの10カ国は、オーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,ベトナム,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポールです。
まず、ニュージーランドとオーストラリアは、国民の65%がTPP協定に反対しています。カナダは大筋合意の後、
TPPに批判的だったジャスティン・トルドー氏が首相となりました。現在、TPPに関して徹底的な検証を行っています。
マレーシアでは、ナジブ・ラザク首相が、今年2月4日のTPP署名式の前の1月27日に、TPPの承認を求めて国会で採決を行いました。
しかし、このことにTPP反対派の議員および国民が怒り、現在も政情不安が続いており、関連法案成立のメドは立っていません。
残りの国の状況ですが、ベトナム、シンガポール、ブルネイは批准される予定で、メキシコは大統領府や経済省は歓迎しています。
しかし、チリ、ペルーは複雑な状況になっています。チリは国会議員全員が反対で、そしてチリ、ペルーでは国民の多くが反対しています。
今、加盟国12カ国中、国民の多くがTPP協定に反対している国は8カ国におよんでいます。日本政府はアメリカの意向を先取りして、賛成を表明しています。
TPP協定は署名から2年以内、2018年2月3日までに12カ国うち、6カ国、GDP85%以上の国の批准ができなければ発効できません。
私は今現在の加盟各国の動きを見ていると、発効できない可能性は充分あると思います。