16/08/12 18:15:52.34 CAP_USER.net
自動販売機が、ユニークなサービスを続々取り入れている。近年、節約志向の高まりやコンビニエンスストアなどの存在に影響されて売り上げが伸び悩んでいる自販機業界。プレゼントを提供したり、ポイントサービスを実施したりなど、飲料メーカーがさまざまな取り組みを仕掛けている。(中井なつみ)
専用アプリでスマホ連動
ピッ。自動販売機にスマートフォンをかざしてから飲料を購入すると、画面にスタンプのマークが表示された。日本コカ・コーラ(東京都渋谷区)が今年4月から新たに開始した「CokeOn(コークオン)」のサービス。購入本数に応じて与えられるポイントを集めると、好きな飲料が一本無料でもらえる機能が話題になっている。
サービスに対応した自販機に、CokeOn専用のアプリをダウンロードしたスマホを近付けることで、自販機がスマホを認識し、購入履歴やポイントが記録されていく。通常、飲料1本当たり1ポイントで、15ポイント貯まると、好きな商品と交換できる。
他にも、アプリを起動させた画面をタッチするだけで参加できるキャンペーン(不定期)では、抽選や先着で飲料の無料チケットがもらえるサービスも実施している。同社広報部のシニアマネジャー、岡部容子さんは「自販機とスマホを連動させるサービスは初めて。自販機が普及した今、ただ買うだけではない、プラスアルファの楽しみが求められている」と話す。消費者からの反応も良く、対応前と比べて1台当たり数%売り上げが上昇した。年末までに、サービスに対応した自販機を14万台整備する予定だという。
歩いてポイント
近年、注目が集まる企業の健康経営を意識した自販機も登場している。
サントリー食品インターナショナル(中央区)は、企業向けに提案している自販機「GREEN+(グリーンプラス)」によるサービスを始めた。まず、社員がスマホを自販機に認識させ、そのスマホを携帯して歩いた距離に応じてポイントが与えられる。例えば1週間で、1日平均1万歩達成すると5ポイント。それで特定保健用食品(トクホ)飲料と交換できるというものだ。
また、歩数の他にも、飲料の購入をするたびにポイントがもらえる(通常商品=1、トクホ飲料=5)。集めたポイントは、1ポイント=1円換算で、指定のトクホ飲料と交換できる。同社コーポレートコミュニケーション部の気賀明さんは「ユニークな仕掛けで、自社製品のファンを増やしていきたい」と話す。
背景に販売数の減少
各社がサービスを多様化しているのは、自販機の設置台数や売り上げが減少傾向にあることの危機感が背景にある。日本自動販売機工業会(東京都港区)の統計によると、平成27年の1年間に設置された自販機は約500万台で、前年より0・8%減少。売り上げも、前年比2・7%減となる2兆1333億円で、3年連続で前年を下回った。
コンビニエンスストアやスーパーなどで安価な飲料が手に入りやすくなったほか、消費税増税後に自販機の飲料価格が上昇したことも影響している。
一方、自動販売機の飲料は定価販売ができるうえに人件費もかからないため、利益率が高い。そのため、他社製品との差別化だけではなく、ユニークなサービスで自販機の利用を促したいというメーカーが増えているようだ。
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