16/07/25 10:34:24.16 CAP_USER.net
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いま、オフィスにはあなたと新入社員の2人だけ。そんなとき、オフィスの電話が鳴りました。ところが、新入社員は一向に電話に出ようとはしません。
あなたならどうしますか。電話に出るよう新入社員に指導するでしょうか。
あなた「なんで電話に出ないんだい」
新入社員「なんて言って出たらいいのか分かりません」
あなた「会社名を名乗って普通にでればいいだろ」
新入社員「『普通に』って……どういう風に言うんですか」
あなた「いいからさっさと出ろ!」
新入社員「……」
これはある中小企業の社員から聞いた話です。
この新入社員はどうして電話に出られなかったのでしょうか。会社の電話に出るのが初めてだったのでしょうか。
新入社員にとって、あらゆる仕事が初めてのことばかり。それはいつの時代も同様で、初めての仕事は誰であれ戸惑います。やってみる前から苦手意識を持ってしまうこともあるでしょう。
しかし「電話対応」に関しては少し話が違います。昨今の新入社員の間で電話に対して苦手意識を持つ人が増えている背景には、時代の変化が大きく影響しているからです。
今回は新入社員が電話対応に苦手意識を持つことになった、その原因について考えていきたいと思います。
新入社員研修や就職支援をしていると分かりますが、驚くほど電話対応が苦手な若者が増えています。それも電話対応自体が苦手というだけでなく、
電話に出ること自体が苦手という声も聞きます。
「電話対応をしながらメモを取るなんて、マジで神です!」という声もありました。
その理由は実に単純です。単に固定電話に出た経験が少ないからです。ですので、私は対応能力というより経験値の差だと思っています。
実際にアルバイトなどで繰り返し電話対応をした経験がある場合には、そこまで電話対応に対しての苦手意識は持っていない人がほとんどです。
苦手意識が生まれた背景は大きく2つあります。
1つはそもそも「家に固定電話がない」から。携帯電話の普及に伴い、家に電話がない家庭が昔に比べてとても増えています。
インテルセキュリティとMMD研究所の調査によると、年代別で固定電話を持っていない割合は20代で38.4%、30代で35.8%、40代で11.4%、
50代で4.5%、60代で4.9%です。現在の20~30 代に関しては、必ずしも固定電話が必要ではないことがわかります。
もう1つは「家庭で子どもに電話を取らせなくなった」ことです。警視庁では、オレオレ詐欺や架空請求等の振り込め詐欺、振り込め類似詐欺を合わせた
特殊詐欺の認知件数を公開しています。平成27年は認知件数で1879件、被害額で67.3億円だそうです。これは都内のみの結果ですから、
その件数と被害額には驚きます。昨年の被害額80億円から見ると減少しているものの、決して少ない額ではありません。
こうした電話での犯罪から子どもを守る方法として、例えばNTTドコモでは非通知の電話はつながらないサービスなどを展開していますが、
最終的には「子どもに固定電話を取らせない」という対策が最もシンプルで効果的になってきます。つまり、固定電話がある家庭であっても
電話は取ったことがない子どもがこうして増えているのです。
子どもへの連絡は固定電話ではなく、携帯電話やスマートフォンを持たせればいいだけです。子どもは携帯電話には出ることになりますが、番号が通知されている人からの電話です。
「はい、◯◯です」ではなく、「はーい」と名乗らずに出ればいいわけです。誰からの電話かは一目瞭然なので構える必要もありません。
良い悪いではなく、そういう環境で彼らは育っているのです。
新人研修や就職支援でも、先述のように電話対応については苦手意識、場合によっては恐怖心すら抱いている若者を多く見受けます。
また、電話対応の仕方自体は頭に入っていたとしても、明るく元気に応対するとなると、切り替えられない場合もあります。自分では明るい声を意識しているものの、
他者から見ると全く明るく聞こえない場合も。電話対応が新人にとって1つの課題となっているのです。