16/07/19 20:22:24.26 CAP_USER.net
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
今や株価はピークの20分の1に下落したという。だが、経営陣に対する批判の声こそ上がったものの、シャープ「最後の株主総会」は、
大きな混乱もなく終わってしまった。身売りの戦犯と兵隊たち、それぞれの終戦を、「ロケット・ササキ」(新潮社)の著者がレポートする。
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「わし2200円の時にシャープの株、買うたんや。130円ではどうもならんがな」
6月23日、大阪市のオリックス劇場で開かれたシャープの第122期定時株主総会に出席した初老の株主は、
会場前の公園でマスコミに囲まれて憤懣をぶちまけた。
「(シャープの創業者)早川徳次さんを信用してシャープの株主になったのに、ワシの退職金パーですわ。どないしてくれますの」
この株主は、総会の議長を務めた高橋興三社長にも容赦なく怒りをぶつけた。しかしシャープが倒産してしまったのでは株が紙くずになってしまう。
シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入る議案は可決され、創業から104年に及ぶ独立経営に幕が降ろされた。
リーマン・ショック前夜、液晶テレビ「アクオス」の大ヒットで、シャープの株価は2000円を超えていた。2445円に達したこともあり、
経営陣は「パナソニック、ソニーを追い越せ」と本気で「株価5000円」を狙っていた。それがたったの10年で100円台。時価総額にして
3兆円以上が吹き飛んだのだから、株主が怒るのも無理はない。
総会翌日には英国のEU離脱で株式相場が大崩れ。東証2部落ちが決まったシャープ株は嫌気され100円を割った。これでは損切りもままならない。
たまらないのは従業員も同じ。すでに2度の希望退職で6000人の仲間が会社を去った。出資交渉がまとまった
4月の時点でホンハイは「人員削減はしない」と言っていたが、その後、前言を撤回。「国内2000人、海外5000人規模の削減が必要」と言い始めた。
しかし現場は意外に冷静だ。「みんな『就活』に必死で、100人近くが自己都合で辞める月もあります。
放っておいても、すぐに2000人くらい減るんじゃないですか」(シャープ社員)。