16/07/13 19:22:04.85 CAP_USER.net
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日本の就職活動期は、私たち外国人留学生にとっても将来を考える重要な時期である。多くの留学生は、日本での就職だけでなく、
母国や他国での就職、大学院進学も含めて検討する傾向があるが、それでも留学先に選んだ国で働きたいという学生は少なからずいる。
日本政府も従業員の国際的な多様化については、進歩的な考えを持っているようだ。安倍晋三政権は目下、
「留学生30万人計画(日本への留学生を2020年までに2008年の14万人から30万人に増やす計画)」を掲げ、
勉強だけでなく、将来のキャリアプランニングの面でも留学生が暮らしやすい環境を作ることに力を入れている。
最近の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事によると、同政権は卒業後の残留率を現状の30%程度から50%にまで引き上げる計画で、留学生の日本での就職を後押したい考えだ。
日本での就職のハードルは高い
しかし、留学生にとって現実はそんなに甘くない。経済産業省が3月に公表した「内なる国際化研究会」の報告書によると、学部生の70.4%、
大学院生(修士課程)の64.1%が日本での就職を希望しているにもかかわらず、実際に就職するのはそれぞれ29.7%と28.5%にとどまっている。
また、留学生約83.0%が日本に住むことは魅力的だと評価している一方、働くこととなると魅力的だと答えるのは22.0%と一気に消極的になる。
私の周りを見ている限りでも、この調査結果に違和感はない。なぜなら、一部の大学が設けている留学生向けの特別プログラムで学ぶ留学生だけでなく、
普通に受験して通常の学部に入った留学生にとっても、日本で就職することはものすごく難しいからだ。その理由は以下の通りだ。
1. ビザ
在学中に仕事が見つかれば問題はないが、日本には就職活動用のビザがないため、留学生が卒業後に仕事を探す場合には「特定活動」と呼ばれる
ビザステータスに変更しなければならない。申請には、パスポートや戸籍謄本などの身分証明、直前まで在籍していた大学からの推薦状などのほか、
1カ月ごとに就職活動状況に関するレポートの提出が必要で、手間も時間も非常にかかる。
2. 就活時期
日本での就活スケジュールは、誰もが3月に卒業することを前提としており、時間的な柔軟性に欠ける。私を含め9月卒業の留学生の多くは
就職活動の時期も、卒業の時期も企業の予定とうまくマッチしない。
3. 日本語
楽天やグーグルなど英語が日常的に使われている企業への就職を希望しない限り、相当高い水準の日本語力が要求される(外資系企業でさえ、だ)。
就活をするにあたってまず大変なのはエントリーシート。いくつもの企業に対して、説得力のある回答を日本語で書くのは容易ではない。
いざ書類審査を通過して面接に進めたとしても、英語で面接できる会社はほとんどない。今どきの若い日本人でさえ満足に使えない敬語を外国人が操るのは至難の業だ。
4. 情報不足
就活は情報収集力に左右されるといっても過言ではない。これは留学生にとっても同じだが、たとえば私たちがもっとも知りたい
「外国人にとって働きやすい会社なのかどうか」という情報を知り得るのは非常に難しい。各企業のホームページで外国人従業員の人数を調べたり、
日本の学生と一緒に会社説明会に参加したり、「マイナビ」など就活サイトをチェックしたりするが、これを「読みこなす」にも相当の日本語力が必要だ。
それでも、留学生が必要とする情報を得ることは難しい。たとえば、企業のホームページ上に記載されている外国人従業員数は、
しばしば海外支社の社員の数が含まれており、本社でどれくらい働いているのかわかりにくい。
東京大学の留学生、オースティン・ゼンと日本国際化推進協会(JAPI)が昨年共同で行った「日本で働くことについての調査」
(日本の留学生819人が回答)によると、就活において留学生が知りたいのは、「労働時間」(65.4%)や「任されるタスク」(57.2%)、
「評価の基準」(50.7%)、「要求される日本語のレベル」(42.0%)などだが、こうした情報を事前に知り得ることは、たとえばOGやOBに会わない限りわからない。
私自身も何人か会っているが、日本人の学生に比べれば先輩の数は極端に少ない。