16/07/07 08:45:42.64 CAP_USER.net
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不良債権問題が深刻化しているイタリアの銀行3位、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)に対し、
同国政府が公的資金を使った資本注入を行う検討に着手したことが、関係者の話で分かった。
英国の欧州連合(EU)離脱の方針を受けて銀行株が売られイタリアの銀行危機が深刻化。
欧州中央銀行(ECB)は、モンテ・パスキに対し、3年以内に140億ユーロ(約1兆5550億円)以上の不稼働資産
を整理し全与信額の約2割にまで削減するよう求めていた。
仏金融大手ソシエテ・ジェネラルのビニスマギ会長は6日、ブルームバーグ・テレビのインタビューで
「イタリアの金融システムにはリスクがある」と語り、対策が必要だと指摘した。
イタリアのパドアン財務相は5日、保険業界との会合で銀行業界についての現状認識とモンテ・パスキへの
資本注入の可能性を尋ねられ、「英国のEU離脱が混乱を増幅した。経済政策の役割は短期的な不安定さを極力小さくすることだ。
必要とあらば予防的手段を講じることもできる」と答えた。
ただ、同行に公的資金を投入するには、EUの承認が必要になる。EUはストレステスト(健全性審査)で
資本不足が見つかった銀行に限り政府支援を一時的に認める規則を設けている。関係者によると、
イタリアはこの規則の適用を求め、EUとの交渉を始めたという。
EU欧州委員会の当局者はイタリア当局と連絡を取り続けており解決策について多数の選択肢があると述べた。
欧州委は先週、イタリア政府が年内に経営難の銀行に最高1500億ユーロ(約16兆9000億円)の
流動性の保証を提供することを承認している。
伊紙スタンパによると、イタリア政府は、モンテ・パスキが発行する転換社債を引き受けるとともに、
銀行支援のための基金アトランテを通じ30億ユーロ超の資本注入を行うことを検討している。
また、伊紙レプブリカは、同国政府がモンテ・パスキ救済に向け新基金設立を検討していると報じた。
イタリアでは今年から銀行の損失処理の際に銀行債の保有者と株主にも負担を強いる「ベイルイン」
と呼ばれる規則が完全施行されている。同国が公的資金投入に踏み切った場合、初めてベイルインが適用される。(ブルームバーグ Sonia Sirletti、John Follain)