16/06/03 19:53:42.54 CAP_USER.net
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[東京 3日 ロイター] - 安倍晋三首相の消費増税引き上げ延期の判断にも影響したとみられる個人消費の低迷は、
どうして起きているのか─。エコノミストら専門家は様々な要因を挙げているが、
指摘されていない点がある。それは、雇用者における非正規社員の増大による購買力の低下という構造問題だ。
年収で正規社員の30%台にとどまっており、「担税力」が弱い。その視点に立って、私は2つの改革案を提案したい。
<8%増税後、低迷続く個人消費>
安倍首相は1日の会見で、「内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げ」と述べた。
内需で最大の項目は個人消費だが、その勢いが弱々しい。
国内総生産(GDP)の民間最終消費をみると、8%に消費税が上がった2014年4月が含まれる4─6月期が
298.3兆円。その後、15年1─3月期に300.9兆円まで拡大するが、その後は頭打ち傾向が続き、
直近の16年1─3月期は298.5兆円。安倍内閣の発足時期が含まれる12年10─12月期の300.7兆円を下回ったままだ。
エコノミストの中には、14年4月の消費増税が消費者心理を圧迫し、その後遺症が直近まで継続している
と分析する見方がある。特にアベノミクスを強く支持するいわゆる「リフレ派」のエコノミストから、
こうした見方が多く出てくる。したがって今回の消費増税引き上げ延期という安倍首相の「決断」を高く評価することにつながる。
私も現在の状況で消費再増税を実施すれば、消費は一段と落ち込むリスクが大きいと予想する。
ただ、その背景には、大きな構造変化がある。その変化とは、1990年代前半まで個人消費を支えてきた
「中間層」の縮小と、それに代わる非正規社員の増大だ。
<正規対非正規、年収比率は3対1>
1990年の正規社員(雇用者)数は3473万人、非正規社員(雇用者)は870万人で全体の20%だった。
それが2011年には正規が3135万人まで減少、非正規は1717万人に増加。2016年は正規が3298万人、
非正規が1983万人でシェアは37.5%になっている。
国税庁の調査によると、2014年の正規の年間平均給与額は477万円。このうち男性が532万円、女性が359万円。
一方、非正規は平均が169万円で、男性が222万円、女性が147万円。非正規の年収は正規の35.4%にとどまっている。
年収の比率が3対1という低額に抑制されている非正規にとって、住宅費や社会保険料、
食費などのコストを除くと、貯蓄に回せる原資はかなり限定的か、ゼロに近くなると予想できる。
住宅や自動車などの耐久消費財の販売が、このところずっと低調である背景には、約40%に迫る非正規の存在があると考える。