16/06/03 11:14:38.74 CAP_USER.net
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時計の針を1カ月戻しますが、大学生の皆さんは、今年のGWはどう過ごされましたか。私は毎年、この質問を学生さんに投げかけるのですが、
「ずっとバイトでした」という答えが多く返ってきます。
まあ、私の頃(90年代半ば)もそうでした。大学生のバイト経験率が、最近になってとみに上昇しているのではありません。
でも以前は、遊びのカネ目当てのバイトが多かった気がします。GWのバイトにしても、夏休みに友達と海外旅行に行く資金を稼ぐというように。
しかし今は違っているようで、「バイトして、どっか遊びに行くの」と尋ねると、「いいえ」と返されます。では何のために?
それはデータに語ってもらいましょう。図1の折れ線は、大学生(マンモス私大の日本大学学生)のバイト目的の変化です。
「旅行・交際・レジャー」が減り、変わって「生活費・食費」稼ぎの回答割合が増えています。2012年度では、バイト学生の半分近くがこの目的を選んでいます。
昨今の経済状況の悪化により、親に頼れない学生が増えているのでしょう。仕送りも減っており、最近では下宿学生の4割近くが
仕送り月額5万円未満です(図の棒グラフ)。これでは、家賃と光熱費を払っておしまい。残りは、自分で稼ぐしかありません。
生活費・食費稼ぎのバイトが増えているというのは、頷けます。
「大学生ともなれば親のスネをかじってばかりではなく、自分で稼ぐべき」という考えもあるでしょうが、バイトは学業に支障のない範囲にとどめられるべきです。
しかし近年、学生の生活困窮と産業界の人手不足のマッチングにより、度の過ぎたバイトがはびこるようになっています。
長時間労働はもとより、正社員並みの責任を負わされる、試験前でも休ませてくれない、辞めさせてくれないなど。
いわゆる「ブラックバイト」です。
学生のバイト上のトラブルに関する公的調査として、厚生労働省の『大学生等のアルバイトに対する意識調査』(2015年)があります。
これによると、ファーストフード業界でバイトした経験のある学生(大学生・短大生・専門学校生)のうち、合意した以外の仕事をさせられた者が21.3%、
合意した以上のシフトを入れられた者が28.0%となっています。
これは、ファーストフード業界の数値ですが、他の業種はどうでしょう。横軸に「合意した以外の仕事」、縦軸に「合意した以上のシフト」の被害経験率をとった座標上に、
28の業種を配置すると図2のようになります。
右上には、先ほどみたファーストフードのほか、コンビニ、スーパー、居酒屋などが位置しています。多くの学生が従事する、
メインバイトのブラック度が高いようです。これらの業界では、人手不足が深刻なためでしょう。
これからバイトしようという新入生に注意を促す意味で、大学の学生支援課などで、こういう図を配布してはどうでしょう。
各業界の自浄作用を促す上でも、効果があるかと思います。