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[ロンドン 31日 トムソン・ロイター財団] - オーストラリアの人権団体は31日、「現代の奴隷」
としての生活を余儀なくされている人が、世界中で約4600万人に上ると発表した。最も奴隷の数が多かったのは
インドで、人口比率では北朝鮮が最も高かった。日本は数で25位、人口比率では41位だった。
人権団体「ウォーク・フリー・ファンデーション」は3年前から、生まれながらにして奴隷状態にある人や性労働のため
人身売買された人、強制労働者など、各国の奴隷状況や政府の取り組みを調査した報告書を発表している。
167カ国を対象に、毎年ランダムにサンプルを抽出して推定値を引き出している。2016年版は25カ国、53の言語で、
米世論調査会社ギャラップが約4万2000人に行ったインタビューに基づいている。
それによると、奴隷の数は4580万人に上り、2014年の3580万人から増加。このように30%近く増加したことについて、
同団体の設立者であるアンドリュー・フォレスト氏は、データ収集が改善したことを挙げた。
そのうえで、難民などにより状況は悪化しており、あらゆる形態の奴隷リスクが高まっていることを懸念しているという。
今年の報告書発表会で司会を務めた俳優ラッセル・クロウさんは「俳優として、ありのままの感情を表現することも
自分の仕事のうちだが、今日発表された報告書にある人々の生活と比べられるものなど何もない。
これを読んで受けたショックを放置してはいけない」と語った。
報告書によると、奴隷の数ではインドが最も多く、推定1840万人。2番目に多いのは中国の同340万人。
パキスタンが同210万人でそれに続いた。
全体の約58%は、インド、中国、パキスタン、バングラデシュ、ウズベキスタンの5カ国で占められ、
約15%がサハラ以南のアフリカで占められていた。
人口比率で見ると、北朝鮮が最も高く、人口2500万人の4.4%、20人に1人が奴隷状態にあるという。
そのほか、ウズベキスタンやカンボジアが高かった。
また調査では、衣服や食料品などの世界的なサプライチェーンにおいて単純労働者の多いアジアは、
奴隷状態にある全体人数の3分の2を占めていることが明らかとなった。
対策を最も取らない国として挙げられたのは、北朝鮮、イラン、エリトリア、赤道ギニア、そして香港だった。
一方、最も対処している国には、オランダ、米国、英国、スウェーデン、オーストラリアが名を連ねた。
欧州は奴隷が最も少ない地域だが、強制労働や性的搾取の源であり、目的地となっていたと、同人権団体は指摘。
また、紛争や貧困から逃れる難民・移民の欧州への大量流入の影響はまだ分からないとしている。
クロウさんは、奴隷はなくならない問題だと述べ、「解決するまで、われわれ皆が集中して取り組み続けるべきだと思う」と語った。
奴隷状態にある人が最も多い国トップ10は以下の通り。また、25位の日本は約29万人が奴隷状態とされており、
約30万人のイエメン(24位)と約26万人のシリア(26位)に挟まれている。
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「現代の奴隷」は、脅迫や暴力、強制、権力乱用、詐欺などによって立ち去る自由を奪われ、
搾取されている状態を指す。場合によっては、借金の形に漁船で労働させられたり、強制的に家事や売春をさせられたりする例もある。