16/04/03 11:07:33.13 CAP_USER.net
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「何としても、正社員にならないといけない。最近焦りを感じる」。25歳の木下徹さん(仮名)はそう言う。
木下さんは東京都内の私立大学を卒業し、現在は建設現場の派遣作業員だ。
建設作業員の仕事は、学費を捻出するために学生時代に始めた。大学院進学を断念し、就活にも失敗した後
、なし崩し的に本職になった。手取り月収は16万円前後。「正社員になった同級生も、手取りでは大差ない。
現場には人間関係のストレスもないから、決して悪い仕事ではない。不満は意外とない」。それでも木下さんが
正社員になりたい理由のひとつは、2年前から交際している同年代の彼女の存在だ。
「正社員になりたくないの?」
「ねえ、転職しないの?正社員になりたくないの?」
彼女は最近、そう木下さんに聞くようになったという。収入は変わらない、自分は今の仕事が好きだ、などと答えると、
「たとえ収入が低くても正社員のほうが真面目に働いているようにみえる。うちの親も、木下君は大丈夫かって心配しているし……」と言うのだ。
「彼女も派遣、彼女の親も不安定な自営業。それでも彼氏は正社員のほうがいいってこと」。
年齢的にまだ彼女と結婚したいわけではないが、まずは正社員にならなければ“いろいろとヤバイ”ような気がしている。
木下さんの焦燥感は、決して杞憂ではないだろう。データを踏まえると、木下さんがこのまま派遣作業員を続けたなら
、中高年になっても独身のままである可能性が高いのだ。
日本の生涯未婚率(50歳時点で1度も結婚をしたことのない人の割合)は、上昇の一途だ。
1970年は男性が1.7%、女性が3.3%だったが、2010年にはそれぞれ20.1%、10.6%に上昇、
さらに35年には男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚になると予想されている(国立社会保障・人口問題研究所のデータ)。
非正規男性の有配偶率は低い
誰が結婚できていないのか。ざっぱくにいえば、それは非正規雇用の男性だ。
総務省の労働力調査によると30~34歳男性の有配偶率は正社員なら6割に達するが、
非正規は3割を切り、中高年に差し掛かる45~49歳でも4割強にとどまっている。
結婚するかしないかは、もちろん個人の自由だ。未婚者の中には事実婚を選んだ人や、
自らの意思で生涯独身を貫く人もいる。だからこそ、雇用を含む何らかの属性が理由で「結婚したいけれどできない」
人が少なからずいるのなら問題だ。上昇する生涯未婚率は、日本社会の何を物語っているのか。その未来には何があるのだろうか。