16/04/03 09:34:56.16 CAP_USER.net
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ワタミ1億3000万円、アデランス1300万円……。最近、企業が支払う高額慰謝料をめぐる報道が相次いで
、世間を驚かせた。確かに、この二つの和解をめぐる額は、これまでの慰謝料の常識を塗り替える数字となるかもしれない。
事件の内容はまったく異なるが、そこには共通の背景が見えてくる。
ワタミの方は、居酒屋チェーン「和民」で入社2か月の女性正社員が過労自殺したという事件である。
いわゆる“ブラック企業”的とも指摘される、ワタミの過酷な働かせ方が問題になった。
すでに過重な業務であったことは労働災害としても認定されたことで明らかだが、ワタミ側は非を認めなかった。
そこで、ワタミ側を相手に両親が損害賠償訴訟を起こし、昨年12月8日、裁判所の提案を受け、
ワタミ側が全面的に事実を認めて、謝罪するという形での和解が成立した。
その結果、支払われた和解金が約1億3000万円ということである。
アデランスの方の経緯はこうだ。かつら業界大手、アデランスの兵庫県内の店舗に勤務していた元従業員の女性が、
男性上司からセクハラを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)となり、退職せざるを得なかったとして損害賠償を求めたものである。
こちらは一昨年の11月28日、大阪地裁でやはり和解が成立し、アデランス側が1300万円の支払いをした。
ワタミは死者を出した事件であり、アデランスは当事者がセクハラを受けてPTSDになったという事件である。
被害の大きさの違いから、慰謝料額に違いはあるが、これまでの同種の事件をめぐる和解金と比較して、
極めて高いものとなっていることが共通点となっている。
この二つの事件をつなぐ慰謝料高騰の背景には、これまで日本の慰謝料ではあまり考慮されてこなかった
“懲罰的”な内容を含むという考え方が見えてくる。
なぜ、ワタミは高額な和解金を支払うことになったのか?
ワタミの件は、マスコミに取り上げられ、大きな話題となった。その理由の一つには、社長である渡辺美樹氏が参議院議員という公職にあることや、
経営者としてマスコミへの露出も多かったことがあった。そして、そうした立場で「風評被害だ」などと発言し、完全否定を続けてきた。
こうした派手なパフォーマンスが逆効果となり、マスコミからも叩たたかれることで、同社は2期連続で経営赤字に陥り、介護部門を売却せざるを得ない
経営危機に追い込まれたという状況での和解であった。
裁判では、労働法違反の数々が表面化した。全国の店舗で労働基準監督署から、残業代の未払いや、法律違反の残業をさせていたことで、
24件の是正勧告と17件の指導票の交付を受けていることなどが明らかになったのだ。
また、こうした労働法違反だけでなく、和解内容から様々な人権問題を抱え込んでいたことも浮き彫りになってきた。それは、無償で研修会や
ボランティア活動に参加することを指示して報告書を提出させたり、研修で冊子(「365日24時間死ぬまで働け」という文句で有名な「理念集」)
購入を強制したりしていたという事実などである。
こうした事実を背景に和解内容には「ホームページに謝罪を掲載すること、日本の司法では認められていない『懲罰的慰謝料』を事実上支払うこと」
(「和解文書」より)が盛られることになったのである。
まさに、ここで指摘されている「懲罰的慰謝料」という考え方こそが、ワタミ慰謝料高額化の背景と言ってもいい。
アデランスはなぜ高額な慰謝料を払ったのか
(中略)