16/02/21 21:55:15.71 CAP_USER.net
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昨秋、株式上場した日本郵政グループ3社の株価が低迷している。年明け以降の下落率はいずれも
日経平均株価の下落率より大きい。日銀のマイナス金利政策導入で長期金利が下がり、
国債の運用で稼ぐことが難しくなるとの懸念が投資家に広がっているためだ。株価低迷が続けば、
政府が計画する日本郵政株の追加売却が遅れる可能性もある。
持ち株会社の日本郵政は傘下にゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、非上場の日本郵便を抱える。
日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命の3社は昨年11月、東証に同時上場。知名度の高さなどを背景に
個人投資家の人気を呼んで、いずれも売り出し価格を大幅に上回る上々の滑り出しとなった。
しかし、年明け以降、世界経済の減速懸念で投資家心理が冷え込むと、株価は下落が進んだ。
1月29日に日銀がマイナス金利政策の導入を決めたことなどを受けて長期金利の低下が進むと、株価の下げ足も速まった。
最大の理由は、金利低下による資金運用難だ。郵政3社の稼ぎ頭のゆうちょ銀の昨年12月末時点での運用資産は、
貯金178兆円を含む総額205兆円で、このうち約4割を国債で運用する。かんぽ生命の国債運用比率は約55%に上る。
年明け以降の株式相場の乱高下で、投資家はリスクを避けようと安全資産の国債に資金を移す動きを強めたため、
国債の利回りは低下(価格は上昇)。日銀のマイナス金利の導入決定後は、長期金利の指標となる
10年物国債の利回りが一時、マイナスになるなど、利回り低下に拍車がかかっている。
政府による間接出資が残るゆうちょ銀は、民間銀行より競争上有利とみなされ融資業務は原則できない。
利回りが高い時期に購入した国債を大量保有しているが、満期になって払い戻しが進んでも、資金の振り向け先は
低利回りの国債中心にならざるを得ない。国債の利回り低下は収益悪化に直結する構造だ。
ゆうちょ銀は9日に通常貯金と定期性貯金の金利を引き下げたが、収益を押し上げる効果は限定的だ。
日本郵政の市倉昇常務は12日の記者会見で「来期もこうした運用環境が続くと、国債保有を減らし、
外国の国債や社債など投資先を分散していくしかない」と話す。市場関係者からは、このまま株価低迷が続けば、
政府の郵政株の追加売却に遅れが出るのではないかとの見方も出始めた。SMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストは
「急激に国債保有を減らすことは難しく、厳しい運用が続くだろう。運用規模が巨額なだけに金利低下の収益への影響は特に大きく、
当面は投資家も株式を買いにくい」と指摘する。【工藤昭久】