16/02/03 15:45:05.73 CAP_USER.net
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日銀が持っているカードは2つ。「追加金融緩和」と「マイナス金利」。まさか、ここでカードを切ることは無いだろうと思われていた。
どのタイミングでカードを切るか。できるだけカードは温存しておきたいはずだ。
ところが、日銀は先週29日の金融政策決定会合で追加的な金融緩和策として「マイナス金利政策」のカードを切った。
不意を突かれたマーケットは動揺を隠せなかった。
(中略)
虚構に翻弄される市場参加者
ブタ積みの220兆円が市中に供給され、それが設備投資などにまわれば、経済は好循環するだろう。
多くの投資家がそう考えるのは当然だ。しかし、日銀の意図は必ずしもそうでは無かった。今回のマイナス金利の導入に当たっては、
金融機関収益が圧迫され、それが金融仲介機能の低下を招くことの無いよう配慮がなされていた。
具体的には3段階の「階層構造」を採用し、ある残高までは、これまで同様の0.1%の金利をつけ、
ある残高まではゼロ金利とし、さらにそれを超過する部分にマイナス金利が適用されるのだ。
では、実際にどれだけの金額にマイナス金利が適用されるのか。日銀は現在既に預けられている
当座預金にはマイナス金利は適用せず、マネタリーベースの拡大(現在の方針は年間約80兆円の増加)に伴って、
当座預金残高は、マクロ的に増加していくことになる。こうしたもとで、 マイナス金利が適用される部分が適切な規模となるように、
適宜のタイミンクグでゼロ金利が適用される部分を増加させるという見解を示している。
過去1年間の超過準備額の増加額は約68兆円。つまり、現在の状況が続いても、
実際にマイナス金利が適用されることは無いのかも知れない。
従って、銀行株が下落した背景にあるような事態が発生する可能性は極めて低いと考えられる。
冷静に考えれば、今回の日銀の発表は実に中身の無いものだ。投資家はこの中身の無い発言に踊らされたことになる。
日本の金融政策は前人未踏の領域に突入した
名ばかりとはいえ、マイナス金利は劇薬だ。実際に日銀審議委員の多数決では賛成5、反対4と意見が分かれている。
すでに史上最低の金利となっているが、マイナス金利導入が国債市場に今後どのような影響を及ぼすのか誰にも想像できない。
本当にこれからもうまくコントロールが可能なのだろうか。いつか、臨界点が訪れ、国債の暴落というとんでもない
事態に陥ることは無いのだろうか。そして、本当の意味でマイナス金利が実施されたなら、
市中に資金を供給する役割を果たす銀行の体力が奪われることは明白だ。
それはかえって資金の好循環を妨げる要因とならないだろうか。いずれにしても、
日本の金融政策は前人未踏の領域に突入したことは確かである。
黒田マジックのタネが明かされたとき、マイナス金利の虚構も暴かれる。そのとき、マーケットは再び混乱し、
下値を模索する展開となる危険性が高まる。(或る銀行員)