15/12/19 10:32:16.42 CAP_USER.net
URLリンク(bylines.news.yahoo.co.jp)
先日、ワタミでの長時間労働によって26歳の娘を過労自死に追い込まれた両親が会社を訴えていた事案で、
和解が成立した。ワタミおよび創業者の渡邉美樹氏は全面的に責任を認め、再発防止策などを含んだ和解条項に合意した。
そんな中、ある社会保険労務士が行ったブログへの書き込みが注目を集めている。
「モンスター社員を解雇せよ! すご腕社労士の首切りブログ」と題されたブログでは
「社員をうつ病に罹患させる方法」として、「適切にして強烈な合法パワハラ与え」るために、
「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること、不快に感じたこと、悲しかったことなどを思い出せる
だけ・・・自分に非があるように関連付けて考えて書いていくことを繰り返」えさせることで、
うつ病に追い込むよう指南している。さらに、「万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡
の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくこと」とまでアドバイスしている(ブログはすでに削除されている)。
社員の自殺までも「想定」してパワハラを推奨している点で、悪質性が極めて高いといえよう。
私は年間に3000件ほどの労働相談に関わっているが、この手の社労士、弁護士、
労務コンサルが絡んだ悪質な事件は後を絶たない。拙著『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文藝春秋、2012年)では、
「ブラック士業」の手口として指摘したものである。
また、その後出版した『ブラック企業ビジネス』(朝日新聞出版、2013年)では、
ブラック士業に特化し、その問題を全面的に告発してきた(尚、私は2013年にユニクロ、ワタミの弁護士たちから
「脅し」ともとれる書面を送り付けられており、その経緯についても同書で紹介した)。
この社労士のブログは、私が問題にしてきたブラック士業の手口を、自ら告白する内容になっている。
社員をうつ病に追い込み自ら辞めるように仕向けるというブラック企業の典型的な手口に、
「専門家」である社労士が加担していると認めたのである。
ブラック企業の「共犯者」としてのブラック士業
ブラック士業は、違法な労務管理の技術を経営者に手ほどきすることで、ブラック企業を支えている。
このような「専門家」は、「ブラック企業」とともに発展してきた。その背景には、違法なことでもまかり通らせたいという「ブラック企業」の経営者の思惑がある。
ブラック企業は社員を「いつでも辞めさせられる」状態に置き、過酷な選別競争を強いる。
そして、「使えない」と決めつけた社員を「自己都合退職」に追い込むために、パワハラなどの違法行為を戦略的に行う。
その際に、ブラック士業はこの「自己都合退職」を選択させるために、労働者をうつ病に追い込むような
パワハラ行為を積極的に推奨するのである。
それだけではない。一方では、「まだ使える」と判断した労働者を辞めさせないために、辞めると損害賠償を請求するとい
脅しの文書を送付することや、違法な労働組合つぶしにも加担する。
事実、京都のあるIT企業は、弁護士を立てて、過労死ラインを超える長時間労働とパワハラによって不眠症になり
やむなく退職を申し出た労働者に対して、2000万円の損害賠償を請求する訴訟を提起した。
また、残業代を請求するために組合が申し入れた団体交渉に対して、「なにゆえに貴団体が当社に対し
団体交渉申入れができるのか」法的根拠を示せ、という支離滅裂な主張を展開する文書を弁護士名で送付し、
労使交渉を妨げようとするブラック士業もいた。こうした行為も「不当労働行為」という明白な違法行為である。
最近では新卒や、アルバイトを辞めようとした学生の親に「損害賠償を請求する」と社労士が送り付けてくる事件もたびたび生じている。
違法な労務管理を行う「ブラック企業」が蔓延するなか、ブラック士業もそれに合わせて増殖してきたのである。