15/12/14 15:33:28.23 CAP_USER.net
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
(ブルームバーグ):日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、12月調査)は、
大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が横ばいだった。
先行きは大幅に悪化。中国をはじめとする新興国経済の減速を受けて、企業は慎重な見方を変えていない。
景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス12と9月の前回調査と同じだった。
日銀が14日発表した。非製造業もプラス25と横ばいだった。ブルームバーグ調査の
予想は製造業がプラス11、非製造業がプラス23だった。先行きは製造業がプラス7、非製造業はプラス18といずれも大幅な悪化を見込んでいる。
黒田東彦総裁は11月30日の講演で「新興国経済をめぐる不透明感の高まりが、
わが国企業のコンフィデンスを悪化させ、設備投資や賃金設定の慎重化につながるリスクは、
意識しておく必要がある」と語っていた。そして「2%の物価目標の早期実現のために必要と判断すれば、
躊躇(ちゅうちょ)なく対応する」と述べた。日銀は17、18日に金融政策決定会合を開く。
ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは発表後のリポートで、
「短観で特筆すべきは、製造業・非製造業、大企業・中小企業を問わず、すべてのカテゴリーで
業況判断の先行きDIが大幅に悪化した点にある。鉱工業生産などは底打ちの兆しを見せているものの、
日本企業は先行きに対する大きな不安感をぬぐい去れていないことを浮き彫りにしている」としている。
先行き軒並み悪化
記者説明を行った日銀調査統計局の中山興経済統計課長によると、景気拡大期の業況判断DIの
先行きは大企業・製造業で2ポイント、同・非製造業で0-1ポイント、中小企業・製造業で3ポイント、
同・非製造業で3-4ポイント、いずれも悪化する傾向があるが、12月調査の先行きはいずれもこれら以上に悪化した。
とりわけ、大企業・製造業は大きく悪化した。中山課長は「足元の収益は為替円安に救われた面もあって好調が続いているが、
海外経済が北米以外に良いところがない中で、この好調がどこまで続くのか、企業は懸念している」としている。
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは発表後のリポートで、「製造業、非製造業ともマクロ環境は改善傾向にあるが、
ミクロ面の問題が企業センチメントを下押しした可能性がある」と指摘。こうした問題は「先行きの悪化により強く表れている」としている。
15年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比10.8%増と、9月調査(10.9%増)とほぼ同水準だった。
市場の事前予測(10.2%増)は上回った。中小企業の業況判断DIは、製造業が0と横ばい。
非製造業はプラス5と2ポイント改善した。先行きはそれぞれマイナス4、0と悪化を見込んでいる。
日銀は当面、現状維持か
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは短観を受けたリポートで「米国の利上げを経て
為替が大幅な円高ドル安に動き、これがまとまった幅の日本株下落につながるケースを除き、
年内および年明け1月の展望レポート公表時の日銀による追加緩和は想定しにくい情勢」と指摘。
追加緩和のタイミングについては「黒田総裁の状況判断次第とみられるため確定的なことは言い難いが
、『物価の基調的な動きはしっかりしている』という見解を日銀が維持する中、16年4月以降にずれ込むとみておくのが現時点では順当だろう」としている。
15年度の想定為替レートは1ドル=119円40銭、上期120円84銭、下期118円。今回の短観の回答期間
は11月11日-12月11日。調査対象企業は1万971社で回答率は99.6%。